ねぇ、お兄ちゃん

楽しいこと33 ページ33

長い赤信号
私はこの時間がとてつもなく長く感じた
それはきっと風が少し肌寒く、昨日の疲れもあるからだろう



「…なにか困っていることでもあるのか？」





そう私の顔をのぞき込む伊達班長さん
なぜ警察は揃いも揃って勘がいいのだろうか、警察官だからこそか、





「そうですね、兄に会う機会がないことぐらいでしょうか」



少しふざけたように言ってみる。
無言は肯定だとみなされるから、黙るのは良くないし
…まぁ嘘はついていないからいいかな






「そうか、寂しくなったらいつでも俺の家に遊びに来ていいからな。ナタリーも会いたがっているし」






「それは光栄です。私もナタリーさんに会ってみたいです」







赤信号が黄色に変わる
車がどんどん右に曲がり、進んでいく














「そうだ、妹さんに見せたいものがあるんだが」







そう言ってポケットを漁る伊達班長さん
やっと取り出したかと思えば、その拍子に何かを道路に落としてしまう









信号は青だ










「おっと、」






信号を確認し、落としたものを取ろうとする伊達班長さん
その時、大きな光が伊達班長さんを包んだ
その光の正体はトラックで居眠り運転だった。






「伊達、班長さん！！？！」





「、あ」






一瞬の事だったと思う
私は伊達班長さんを勢いよく前に押し出した
伊達班長さんはもう光に包まれていなかった、代わりに私がトラックの光に包まれた




目の前にはトラックが、
もうどうせ避けられない、時間が遅く感じた
走馬灯のようにたくさんのことを思い出した




伊達班長さんが何かを叫んでいるけど私にはあまり聞こえなかった



















「、妹さん！！！！」











大きな音と衝撃とともに私はトラックに跳ねられた
どうせなら兄に誕生日プレゼント渡したかったな












体が地面に着いた頃、私の記憶はもうなかった



















君が死ぬまであと零秒。



















MISSION complete




・降谷零の同期を救済せよ

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