ねぇ、お兄ちゃん

嫌なこと20 ページ20

「…久しぶり、」





「なんのつもりだ、早くそこをのけ」



階段の前に立つと、早くのけと威圧される
でも私は、ここで兄をとめないと
もう兄に会っちゃったけど、諸伏さんから会わせてあげるって約束したんだもん


こんな形で会うなんて私も嫌だったけど
次会うときはちゃんとした所で再会したいから






「ごめんけど、のけない」







「…早くのけって言ってんだよ」







「のけないって言ってるじゃん！」






「言う事聞かないから力づくでいくぞ」






多分兄は私を殴れる
妹だからといって手加減なんてしない、そういう人だから
とうの前に骨何本か折れる覚悟はしてるよ






「いいよ、殴られる覚悟は出来てる」






「…3秒まってやる。3秒数えてお前が退かなかったらほんきで殴るからな」






それが、俺の仕事だ
という兄。分かってるよ、私より仕事の方が大事だなんて
私の事嫌ってることなんて




「絶対、のかないから」





そう言うと兄は私の元に来て胸ぐらを掴んだ
正直、半泣きだった。何この兄、怖すぎでしょ
くま酷いし、筋肉ムキムキになってるし、力強いし





「本当にいいんだな」





殴られる覚悟をしていると、階段をおりる音が聞こえた
兄にも聞こえたのか少し力が弱まった



その階段から降りてきた人物は諸伏さんとニット帽を被った男性だった






諸伏さんの頭の上にはもうカウントダウンなんてなくて、もう死なないと思ったら安心して涙が出て、それに兄に胸ぐらを掴まれてとてつもなく怖い気持ちもプラスで号泣案件




「な、ヒロ、？」







「ゼロ！？どうしてここに、ってAちゃん！？なんで胸ぐら掴まれてるの！？」







「あ、」







「…ばぁーか！！！！！急に胸ぐら掴まないでよ怖いじゃん！！！殴るとか言うし！！！妹を本気で殴ろうとするやつなんていないでしょ！！！！！怖かったぁ！！！！！力強いし苦しいし！！、！！ゔ〜！！！！！諸伏さん！！！！！！！！！」















本気で泣いたのは多分この日だけ
それぐらい怖かったと同時に安心した

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