ねぇ、お兄ちゃん

嫌なこと18 ページ18

私はなんで死にかけの人に泣き顔を見せているのだろう
目の前にいる彼は3日後に死ぬというのに
…泣き顔なんて誰にも見られたくなかったのに


まぁあまり知らない人だからこそ、泣き顔を見せれたのかもしれないけど


「てか願いを叶えてあげるってなんですか、兄と会うってことですか無理です心の準備のために1年間は待たないと無理です」



「早口過ぎない？」



「すみませんテンパっちゃって」



「それにしては冷静だね」



そりゃ何年間兄と会ってないと思ってるんだ
生き別れの兄妹に会うって言われた気分だよ今




「さっきはお兄ちゃんって呼んでたのに、どうして今は兄なの？」





「…忘れてください。私のけじめなんです」




「理由聞いても？」




「もう兄と仲良くはなれないと思った時、お兄ちゃんだったら親しく感じちゃうじゃないですか」







「…親しくはない、本当の妹じゃないから兄って呼ぶことにしたんです」











「まぁそのくらいの罰はゼロに必要だね」




「なんの罰ですか？？？？？？？」







でもまぁ、久しぶりに兄のことについて話せて少し嬉しかったし懐かしかった
曖昧な人生で、最低で
それでも鮮やかな未来が少しでもあるんじゃないかと思えたら少し目の前が明るくなった気がした





「…それじゃあ、諸伏さん」




「ん？」




「絶対、兄に合わせてくださいね。」




約束ですよ？と言うと諸伏さんは笑って任せてよと優しい顔で答えてくれた
それじゃあ尚更、諸伏さんを助けないとね












「諸伏さん、生きてくださいね」











絶対なんて言葉、存在しないけど

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