ヒーローがログインしました！season4【歌い手】

ヒロイン！１５６ そらるside ページ17

そ「ねえ浦田くん。話変わるんだけど、１つ気になってること、いい？」

なんとなく重い雰囲気に耐えられなくて話を振ると、浦田くんはにこりと笑ってコーラをまた口に含んだ。

そ「浦田くんは、いくつかの能力を持つヒーローじゃん。そうゆう人、他にもきいたことある？」

俺もまふまふも、るすも坂田も、それぞれ１つの力しか持っていない。

でも浦田くんは、まぁ主となる力は治癒なんだけど、ガードと手から出す草のツタを自由に操れる。

まぁ特殊なタイプのヒーロー、だと思う。

浦田くんはうーん、と少し悩んだそぶりを見せる。

う「まぁ、きいたことはありますけど。でも僕みたいに攻撃に向かない力ですね。」

これを聞いたのには理由があった。

天月は、『溶かす力』を持っていた。

それはヴァンプも使ってたし、確かだと思う。

ヴァンプがさらわれた時、まふまふと坂田はヴァンプの横にいた。普通ならあの2人が気がつかないわけがない。

それに、みんなで囲んでたのに急に消えたのだって変だ。

あの時は気がつかなかったけど、もしかしたら天月はもう一つ能力を持っているんじゃないか。

例えば…『自分や任意の対象を透明にできる』とか。

あくまで想像。想像だけど、ありえなくはないと思う。

とりあえずそう考えた旨を浦田に話すと、浦田くんも納得したように頷いた。

う「確かにありえない話じゃないと思います。…にしてもそんなやつがテロ組織にいるなんて。」

あいつがもしほんとに透明になれるなら、厄介なことこの上ない。

ヴァンプにジルスヒカートを盛ったと言われた時、正直頭が真っ白になった。

だってあれはまだ、未完成の薬だから。

これから…怖い副作用がどんどん出てくるかもしれない。幻覚とか、幻聴とか、錯乱とか。

そ「…絶対捕まえる。」

透明になろうが、鎖を溶かされようが。

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