ヒロイン！１５７ ページ18
ま「話したくなければ、別にいいんだけどさ。ヴァンプって…天月のこと知ってるの？」
くだらない談笑をしつつお茶をしてると、急にまふまふさんが切り出した。
るすさんはなんか苦笑いを浮かべてる。大方、私と天月の関係をさりげなく聞こうと2人で相談していたのに直球で聞いたまふまふさんに呆れているとかだろう。
話したくない…わけじゃない。
だって私は、この人たちがちゃんと受け止めてくれるって知ってるから。
「…詳しく話すと色々長くなるので省きますが、彼は私の学生時代の友達です。その頃の彼の名前は『天月』じゃなくて『凪月』でしたけどね。」
いや…学生時代の友達と呼んでいいのか、正直わからない。
でもこれだけは言える。
「私は、誰よりも凪月のことを信じていました。」
凪月に好かれていたという自信は、正直ない。
けど、凪月は誰より私の家庭のことを理解してくれた。けど、腫れ物に触るように接するわけでもなく、普通に接してくれていた。
まふまふさんとるすさんは、黙ってこちらを見ていた。
る「ヴァンプはさ、ここの部隊に入ったこと…後悔してる？」
探るようなその目線。
そもそも、国からの招集という、簡単に言えば命令で私はこの部隊に配属された。
入らないって選択肢は、なかった。
る「この部隊に入らなかったら、天月…くんの敵にはならなかったかもしれないじゃん。」
私の大切だった人だから、呼び捨てにするのははばかられたのだろう。敵に対して敬称をつけるなんてなんか変な感じだけど。
「正直、凪月のことは相当…こたえてます。でも、もし配属されてなかったらお二人にも会えなかったでしょう？」
あの頃の私には、安心できる存在が凪月しかいなかった。
叔母さんたちはとてもとても優しくていい人だったけど、やっぱりどこか他人だったし。
だけど、今は…。
ふと恥ずかしくなって下を向く。
なーにクサいこと言ってんだ私は。脳内ドラマチックか。頭の中にキンパチセンセイでも住んでんのか。キンパチセンセイであってたっけ。生まれる前の昔のドラマだからよくわかんないけど。
るすさんとまふまふさんが目を見合わせて笑ってる気がする。クスクス聞こえる。そんな笑うほどドラマチックなセリフでしたか。
ま「ヴァンプ、いろんな顔するようになったね。」
る「ほんと。まだまだ無表情だけど、赤くなったり笑ったり前より少し表情豊かになった。」
るすさんと目を合わせると、私の頬をすうっと彼の指が滑った。
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瀬名 - 手の込んだストーリーで楽しませて貰いました！更新楽しみにしています (2022年1月17日 20時) (
レス) @page33 id: 98687f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 初コメです。ものすごく面白かったです！ 更新楽しみにしてます！！ (2020年6月8日 20時) (レス) id: 72e374ec6b (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 更新再開！？今年いちばんの嬉しい出来事です！！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
とろんぼーん(プロフ) - うわああぁぁ更新再開嬉しすぎます…！コメ欄の下の方にいるりょうかの別垢です…笑 更新楽しみにしてます…！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: a6d44952a8 (このIDを非表示/違反報告)
癒亜(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！この作品大好きなので嬉しいです！これからも無理せず、更新頑張ってください、！ (2020年2月3日 8時) (レス) id: 28593f1c0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神咲のあ | 作成日時：2018年4月22日 20時
