ヒロイン!134 るすside ページ44
皆順にどんどん鎖を使って登って行き、最後に俺が登った。
すると、なぜかまふまふをそらるさんが抑え込んでいた。
まふはずっと姫に暴言吐いてそらるさんから逃れようとしてる。
る「…なにがあったん」
小声でうらたさんに尋ねてみる。
う「…いや、この通りヴァンプちゃんやられちゃってて。まふまふが姫に何をしたか聞いたら、『坂田ともう一人別のやつの血液を注射した』とか言って、そのあとまふまふがガチギレし始めて…。」
うらたさんの腕の中でヴァンプは青白くなっていた。
あれ、腕に噛み跡ついてる…しかも結構深い。
噛み跡はうらたさんの力でじわじわ塞がってるけど、明らかに激痛じゃ済まなそうだった。
俺らがこんな会話をしてるうちもまふまふは叫んでいた。
ま「お前何したかわかってないだろ!!!あいつに二人分の血を入れたってことは、物によっては二人分の『辛い記憶』が入るってことなんだよ!!!記憶の頃の人格が!!!あいつの中に二人分増えるってことなんだぞ!!!」
『辛い記憶』…?『記憶の頃の人格』…?
もしかして、ヴァンプの力の副作用でまふまふが隠したがってたのってそのことなんだろうか。
「…おかあ、さん。ぼく、」
急に。
ヴァンプの目が、開いた。
「こっち見て。」
ゆらり、幽霊みたいにうらたさんの腕から抜け出す。
明らかに様子がおかしかった。
幼い子供みたいな喋り方、動作。ふだんのヴァンプはあんなんじゃない。
「俺の、せいだ。」
すると突然何かスイッチが入ったように立ち振る舞いが男っぽくなった。
ぐしゃぐしゃぐしゃ、とラベンダーアッシュの髪の毛を搔きむしり、べたんと床に座る。
「やめてよ、やめて、俺、ぼ、私、僕、」
何かの中毒者みたいな動き。明らかに常軌を逸した人間。
ヴァンプはしばらく子供っぽくなったり男っぽくなったり元に戻ったりを繰り返して、バタンと倒れた。
まふまふはヴァンプに駆け寄ると、
ま「大丈夫だから。ヴァンプはヴァンプだよ。坂田じゃない。大丈夫だよ。」
そう言い聞かせるように頭を撫でた。
ま「…ヴァンプの血の力の副作用。最大の敵はこれなんだよ。」
深呼吸をして、少し落ち着いたようにまふまふは話し出した。
ま「不快に思う人がいるかもしれない。だから、ヴァンプの許可なしに話すのは嫌だった。だけど、やっぱり皆知ってたほうがいいと思う。」
そう、前置きをして。
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神咲のあ(プロフ) - ももさん» ももさん、初コメありがとうございますー!!!ほんとに励みになりますありがとうございます。亀更新ですが是非是非これからもよろしくお願いします!!! (2018年4月13日 9時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 初めてのコメント失礼します…!いつも続きの展開が気になってソワソワしてます(*´u`)無理なさらず頑張ってください…!応援してます! (2018年4月5日 21時) (レス) id: 514ce4152b (このIDを非表示/違反報告)
くりふわ@想伝(プロフ) - ああああああああああああああ天月すん!!!嬉しい!!!やばい!!(語彙力)取り敢えずありがとうございます!!!!!!!!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: 77ed961b3e (このIDを非表示/違反報告)
神咲のあ(プロフ) - ヨワムシうさぎさん» ではツイッターにリプ送らせていただきますね! (2018年3月16日 15時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨワムシうさぎ - 神咲のあさん» えっと、URLの貼り方というかそもそもURLがなんなのかわからないのでツイッターでよろしいでしょうか? 私のアカウントは「月夜の黒兎 @blackrabbit9603」です。 (2018年3月16日 15時) (レス) id: 9999d2d00f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神咲のあ | 作成日時:2018年2月12日 18時