ヒーローがログインしました！season2【歌い手】

ヒロイン！９３ うらたside ページ48

まずは救護室から探してみようという話になり、救護室へ向かった。

扉の前まで来ると、ボソボソと誰かが喋り続けている声が聞こえた。

とりあえず普通に扉をあけて見ると、そこには明らか目がイってる姫がいた。

アイコンタクトをとって、一応話しかけて見ることにした。

う「姫、何してるの？」

僕らのことなんて視界に入ってなかったのか、姫はびくんっと大きく肩を震わせた。

姫「あ…うらたさん…それに、そらるさんや歌詞さんまで」

こんにちは、とあくまでいつも通りに頭を下げて来る姫。

けどその手には、白い粉が入った小袋が握られていた。

そ「…ねえ姫、その粉なに？そんなの救護室になかったよね。ちょっと俺に見せて。」

そらるさんが姫の持ってる袋に手を伸ばすと、姫は少し悲鳴をあげて飛びのく。

姫「あ、えっとこれは…ヴァンプちゃんのためにって預かってて…。だからその、」

そ「中身は何かって聞いてるんだけど、わかる？」

しどろもどろな姫の手からパッと袋を奪い取るそらるさん。

そしてじろじろと小袋のパッケージを眺める。

そ「ねえこれさ、俺同じパッケージの最近見た気がするんだよね。…職場で。」

とんとんとん、と袋を指で弾きながらそらるさんは顔をしかめる。

職場で、ってことは。あれは麻薬？

姫は俯いて答えない。

そ「どうする？自白する？それとも検査キット通そうか？」

そらるさんは厳しい目で姫を問い詰める。

歌詞太郎さんは『なんだ僕の出番ないじゃん』みたいな顔をして壁に寄りかかっている。

姫「でもそれ、ファンの子からもらった差し入れでっ…疲労回復に、効くからって！！」

苦しい言い訳だ。ファンの子、なんてほぼいないくせに。

そ「そんな怪しいもの、真っ先に他人にあげる？…ヘロインとコカイン…どっちだったんだっけなあこれ。」

そらるさんはポケットから何か検査キットのようなものを取り出しはじめた。

すると姫はそれらを奪い取るようにそらるさんから遠ざけると、へたりこむように土下座した。

姫「…頂き物のコカインです。」

そらるさんはその言葉にニヤリとして頷くと、姫を麻薬所持の現行犯ということで逮捕した。

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