名前 ページ5
与「最近は呼び捨てなのかい?」
作戦会議の朝。早起きした二人はゆっくり珈琲を飲みながら雑談していた。しかし、与謝野のふとした一言により間宮は与謝野の貌を見やる。
『呼び捨て?』
カチャ、とカップを置き、不思議そうに問い掛ける。与謝野は少し吃驚したような貌をすると、すぐにニヤ…と厭な笑みを浮かべた。
与「無意識なんだねェ」
『何よ其の貌…私変な事云った?』
間宮が不満そうに見つめると、与謝野は笑いながら「悪いね」と揶揄うに謝罪した。否、これは謝罪というのだろうか。
与謝野は珈琲を飲み干すと、間宮をスッと指差し「名前だよ」と答える。
『なまえ?』
与「乱歩さんのだよ」
『乱歩の……あ』
他の社員が「乱歩さん」と呼んでいるため、間宮にも其れが移り同じように「さん」付けがうつってしまった。
しかし、最近はそうでもないようだ。
与「何かあったのかい?」
『……』
________________________________________________
乱「…僕もお前が大事だよ」
________________________________________________
『別に…元々は呼び捨てだったでしょ?私は流されやすいから周りのが移ってしまってただけなの。今は戻ってるけど』
再びカップの取っ手を掴み、珈琲を口に運ぶ。残りはもう少ないようだ。
与(数年間も、流されるもんかねェ)
『とにかく、やましい事なんか何もないから!』
与「はいはい」
『食器片付けるわよ』と二人分のカップを持って部屋を出て行った間宮を横目に、与謝野は「ふぅ、」と頬杖をついた。
与「Aは気づいてないようだねェ。ここ最近、乱歩さんの機嫌が頗る善いのを」
そんな女医の独り言は、用心棒には届かない。
_______福「これより、探偵社全体会議を始める」
350人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
誰って?ふふ、アタシにも分からないわ。 - あぁぁああ!!ツンデレ具合が可愛すぎます....!! (5月8日 23時) (レス) @page38 id: 47436d7826 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - ゆいたろー!さん» ほんとにですよね〜! (2月25日 4時) (レス) @page32 id: 24087fee12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 乱歩さんかわいい!! (1月25日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
さぁや - 面白くて一気見してしまいました(笑)これからも頑張ってください! (12月28日 23時) (レス) @page11 id: ee7d1e5722 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - アーテルさん» ありがとうございます!聴いてみます! (11月27日 22時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜 | 作成日時:2023年11月6日 18時