探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ29)

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番外編　「お菓子」① ページ29

※潜入捜査パロとは別です

乱歩は気に入らない菓子があると食べさしでも間宮に渡すようになった。否、実際には無理やりだが。

ある時は

乱「A」

『？なnﾝｸﾞ』

乱「気に入らないから食べて」

『アンタねぇ！人の口に菓子を突っ込むなって何度いえば…！』

またある時は

乱「此れいらないー」

『はぁ？なによこれ、ドロドロだし半分も食べてないじゃない』

乱「味に飽きた」

『食べさしのアイス…』

またまたある時は

乱「ん」

(こ、こいつとうとう何も云わず手渡してきたわね)

乱「…いらないの？」

『食べれないなら最初から購うんじゃないわよ…』

とう感じで、ここ数週間間宮は乱歩から菓子を押し付けられていたのだ。それはもう、間宮の癖になってしまうほどに。

_______会議室にて

国「ですので、此処の配置としては_______.....」

皆が国木田の説明に耳を傾ける中、乱歩だけはぽりぽりとチョコスティックを食べている。間宮はその咀嚼音を聞きながら、今回の依頼内容を頭に叩き込んでいた。

(今日は政治家の警護か………ん？)

ふと視界に入ったのは、乱歩が少しだけ齧ったであろうチョコスティックだった。袋の中はもう空で、それが残り一本のようだ。

ずっと手元に持っている限り、今回も処理を任されるのだろうか。込み上げてくる甘々しい味に目を瞑りながら、間宮は無意識に乱歩の手を取る。

そして、其のチョコスティックを口に運んだ。

_______皆が見ている中で。

全「「「？！」」」

与「へェ？」

太「これはこれは」

皆が驚愕する中、間宮も釣られて目配せをする。
そして、なぜか乱歩も目をぱちくりとさせていたのだ。しんと部屋が静まり返る中、乱歩がぽつぽつと話し出す。

乱「なんで食べたの？」

『え？なんでって、食べろって意味で持ってたんじゃ…』

乱「…普通に後で食べようと思って」

『…へ』