探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ24)

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ご都合異能力　2 ページ24

乱「えへへ、ごめんなさい！」

『ｯ？！ら、乱歩が謝った…？！』

乱「はぁ？なに吃驚してんのさ」

(なんなのこれ脳がおかしくなる)

眉間の皺を抑え、どうしようかと思案する。
取り敢えず見分けがつくように何か印をつけなければ…。

『…あ』

間宮は席を立ち、自分の引き出しを漁った。

『乱歩、こっち来て』

乱「「わかった」」

『あー違う違う出てきた方…人懐っこい方よ』

乱「僕のことだね！」

乱「……」

人懐っこい乱歩はウキウキしながら、間宮の前に立つ。しかし、本体は何か不満そうだ。

『_____うん。これでいいわね』

乱歩の腕をかり巻き付けたのは、可愛らしいリボン紐だった。鏡花にプレゼントを渡す際に余ってしまったらしい。

乱「りぼんだー！」

乱「なんでリボン…」

『可愛いじゃない。アンタは其れずっとつけてなさい』

乱「はーい！！」

きゃっきゃと喜ぶ姿を見て、間宮は少し複雑な気持ちになった。この乱歩は異能で生まれたモノであり、其れが解ければもちろん_____

(多分、消えるのだろうけど…)

せめて、短い間でも楽しく過ごせたらいい。そう願うばかりだ。

_______それからリボンをつけている乱歩は先ほどのようにこれでもかと間宮に甘え倒していた。それはもう、一生分。

乱「A！膝枕して！！」

『え、ええ』

乱「これ特別に分けてあげる！」

『ありがとう…？』

乱「頭撫でて！」

『い、いいわよ』

乱「あーんしてー」

『…否、これは流石に…』

乱「嫌なの…？」

『わ、判ったわよ！ほら、あー』

乱「ん、美味しい！」

『よかったわね…』

乱「………」

_____二時間後

『つ、疲れるｯ…』

場所は会議室。割愛すると、逃げてきたのだ。あんな乱歩は扱い慣れてない。

要するに怖いのだ。

『何時もより素直なのはいいんだけど…』

乱「へぇ、本体より其方の方がいいわけ？」

『別にそういう訳じゃ_____って勝手に聞き耳立ててんじゃないわよ！』

振り向けば、機嫌が悪そうに腕を組んでいる乱歩の姿があった。口調から察するに本体だろう。

ずんずんと大股で近づいてきたかと思えば、ガンと椅子に座り机に脚を上げた。

(これはまた不機嫌なこと)

乱「アイツ何時消えるの」

『さぁ…晶子が云うには一日だったかしら』

乱「……ふーん」

『仮にも自分でしょ。仲良くできないの？』

乱「なんで僕が？そもそも、あんなの僕の要素一ミリもないじゃん」

『…まぁ、そうね』

続く

次回は別のお話になります