探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ22)

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ガムページ22

皆さんは「そのまんまグレー◯プ」という駄菓子をご存知だろうか。

乱「……」

『……』

無言で菓子を頬張る乱歩に、その隣で次の依頼内容を確認している間宮。
場所は会議室。至って平和なはずだ。

(さて、内容は一通り覚えたし次は資料整理かしら)

トン、と分厚い資料をまとめ、整理する。この作業が間宮にとって一番の憂鬱だ。なにしろ、彼女は文字が多いものが苦手なのである。

そして、何よりも

(こういう作業って、自分がどれだけ兄さんより要領がわるかったか思い知らされる)

脳裏に浮かぶ遠い記憶は、いつまでも間宮を苦しませていた。

『はぁ……』

思わず溜息をつき資料に目を通す。それを横目で見ていた乱歩は、新しく菓子袋を開けた。

乱「…くだらないな」

『？なにがよ』

声に応答しても、目線は資料に釘付けだ。

乱「お前がそんな事に頭を使う時間は無いってこと。

_______A、こっち向いて」

『はぁ？何云って_______むぐ』

目線と貌を乱歩に移した瞬間、口に何か入れられた。丸まっている、ゴムのような何か。

乱「あげるよ。三つ入ってるから」

『人の口に菓子を入れるなってあれほど…はぁ』

舌の感触的にはおそらくガムの類だろう。仕事中ガムを噛むのもどうかと思うがこの際仕方ない。それに、丁度甘いものが欲しかったのだ。そう、甘いものが。

好都合だと思いガムを一噛みした。

しかし

『ｯ？！なに、よこれ、すｯ、』

乱「すっぱい？あはは、Aのはハズレだったみたいだね！残念残念」

『ｯアンタわざとでしょ！う、おぇ』

口元を抑え、必死しにその酸味に耐える。酸味は舌に、歯に、口内に染み渡り、間宮は頭の中で発狂した。

乱「騙される方が悪いんだよー！」

逃げ出した乱歩を間宮は涙目で捉える。彼女が本気を出せば人の捕獲など造作もないのだ。

『こら待ちなさいｯ！！今日という今日は許さな___』福「A、今少しいいか」

『ふく、_____社長！？』

福「今は都合が悪いか？」

『い、いいえそんな___ぅ』

我慢していた分の酸味が、さらに広範囲た広がった。しかし、福沢の頼み(⁇)を断るわけにもいかない。

福「…？貌が引き攣っているが、具合でもわるいのか」

『そん、なことないわよ。大丈夫、会議室でいい？』

福「そうか。では早速前回の依頼の件だが_____」

((長くなりそう))

後日、この話を社員たちに笑いながら話していた乱歩は話が福沢の耳にも届き「三日間探偵社菓子禁止令」が出たそう。