探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ16)

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怒りの侵蝕ページ16

福沢と合流した間宮達は、大倉燁子に指定した場所へと向かう。しかし、そこに敦と燁子の姿はなく、福地桜痴の姿があった。

福沢は眉間に皺を寄せ、やられたと呟く。

福「敦との待ち合わせは罠か。

源一郎、社員との連絡が取れぬ。お前の仕業か？」

桜「お前の部下、なかなか骨があったぞ」

そう云うと、福地の隣にあったベットのようなものの毛布を剥ぎ取った。

其処には拘束され、酸素マスクをつけた国木田と谷崎の姿があった。

その光景に福沢は目を見開く。

福「！！」

『なによ、これ』

桜「抑制剤で心拍を止めた上で電気的な外部刺激で心臓を打たせておる。故に、装置の電源を抜けばお前の部下は直ちに死亡する」

福地の説明に、更に剣幕が悪くなった福沢はゆっくりと福地へ近づく。乱歩、福沢、間宮の順で並んでいた為、乱歩と間宮の間には誰もいない。

『……』

_______五分前

乱「ポオ君の執筆した小冊子にヤツを封じる。小説世界なら異能力は使えない」

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乱歩との会話を思い出し、悟られないよう横目で乱歩を見やる。丁度、乱歩が右手で小冊子をポケットから出す所だった。

しかし

乱「うぐｯ」

『！？乱歩！』

福地の刀が、乱歩の右手を貫いた。

桜「悪いがその作戦は既に未来から警告済みだ」

(まずいｯ！)

間宮は足に力を込め、乱歩へと手を伸ばす。しかし、其れは福地も同じであった。福地は目の前の福沢を通り越し、一直線に乱歩へと向かってきたのだ。

乱「ガハｯ」

福地は柄を乱歩の腹に突き刺し、気絶させた。気を失った乱歩は福地の人質にされ、行き場を失った間宮の手は刀へと伸びる。

『ｯこの、乱歩を離せ！！』

怒りで周りが見えなくなった間宮は、ただただ福地の腕を狙う。

その瞬間_______

福「待てA！！」

『ｯ！！』

福沢の声を聞き、刀を振るうギリギリのところで動きを止める。急止したせいか、ぶわりと風が舞い間宮の髪を靡かせた。

桜「お前はよっぽど福沢を慕っているようだな。怒りに侵され乍も指示に従うとは大したものだ。

_______だが、攻撃を止めたのは間違いだったな」

『は？何を云っ_______ｯ！』

その瞬間、右肩に激しい痛みが走った。目で確認すれば、其処には紫色に光る刀が間宮の肩を貫いていた。

『いつのま_____ぐはｯ』

腹部への打撃により、間宮の意識は暗闇へ落ちていった。