探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ15)

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全て此のためページ15

一方、空港では探偵社による爆発により、空港は封鎖され旅行客や従業員は全員避難を済ませていた。そうなれば、空港には猟犬と探偵社が残っている事になる。_______たった一人の少女を除いて。

『文が？！』

乱「ああ、その少女がブラムを背負って空港の何処かに隠れてる」

幸田文とは、関西弁を喋る10歳の少女のことだ。過去に一方的に国木田に計画を潰され恨みを持つ犯人桂正作との抗争に巻き込まれてしまったことがあり、一度だけ与謝野の治療を受けている患者でもあった。

彼女は何の異能も持たない一般人だが、その正義感と「人助け」ために動くことができる強い心は、一般人ではとうていできないわざである。

『すぐ吸血鬼に襲われるわよ』

乱「そうだ。だから賢治を向かわせた」

封鎖された空港、誰かを探し始めた吸血種、放置された棺桶から全てを推理した乱歩。これだけあれば、名探偵にとっては容易い推理なのだろう。

『賢治が…なら安心ね』

乱「敦にも伝えたが、この戦いは局地遭遇ゲリラ戦。…というより、球技に近くなった。

逃げる少女とブラムを追い、先に先陣に連れ込んだ側が勝利だ」

『だから鍵になるのは敦…新人には、荷が重いかもね』

_______空港の通路にて

敦は立原が残した映像を猟犬に見せるため、空港内を駆けずり回っていた。そして、無事猟犬の大倉燁子を見つけることができ、なんやかんやで映像を見せることができた。

しかし

燁「条件がある。探偵社の作戦立案者に会わせよ。協力するか否かは其奴と話して決める」

敦(…危険だ、どう考えても。彼女が立原さんのようにページの制約を破って探偵社を信じる保証はない。…でも信じて貰えば猟犬を味方にできる)

考えたって仕方がない。今は時間がないのだ。と決心した敦は、乱歩のへ電話をかける事にした。
乱歩ならきっと彼女を説得できると。

_______再びアンの部屋

乱「やはりそうか。判った。一ニニR滑走路で合流だ。お前も気をつけろ」

『行くのね』

来ると判っていた電話に、間宮はやっとかと背伸びをした。戦闘力の高い間宮が此の部屋に残っていたのも、全て此のためだったのだ。

『社長にも連絡入れといたわ』

乱「ああ。…行くぞ」

福沢、乱歩、間宮が共に、最終決戦の場へと出陣するのだった。