あと一歩 ページ14
乱「これで福地はワンオーダーが来ない空港に無駄に取り残されたわけだ。さて、ただ僕達の攻撃に耐えるしかない福地は_______何時間、ブラムを守り切れるかな」
敦「…!!」
乱歩の作戦、なにより雰囲気に、敦は圧倒されていた。初めてだったのだ、此のような乱歩を見るのは。何時もの子供のような態度が嘘かのように思わされる。
_______其れは、間宮も同じだった。
昔馴染みである此の男。しかし、そんな彼のこのような様子は今までに一度も見たことがなかった。其れはきっと、探偵社員の命、そして何より、武装探偵社の喪失がかかっているからだ。
それは間宮も重々承知していた。乱歩の探偵社を守りたいという気持ちは、他の皆より感じ取れる。
(何時も横で見てきたもの。だから私も、全力で支える)
敦、作戦によりアンの部屋 離脱。
『_______静かね。二人だと』
乱「そうだね。…今頃、旅客機は引き返してるところかな」
『作戦通りだとそうだけど、不測の事態があるかもしれないわよ』
乱「……そうだな」
乱歩は集中するように指を組み直し、静かに目を閉じた。
乱(どんな敵も、僕の頭脳には抗し得ない。だが仮に一人、僕に抗いうる敵を挙げるとしたら_____)
乱歩の脳裏に浮かんだのは、気味の悪い笑みを浮かべた鼠のボス_______フョードル・ドストエフスキーであった。
すると、再度電話が鳴り国木田からの報告を受ける。それは、最悪の事態であった。
国[聞こえますか乱歩さん、最悪の事態です。航空機は空港へ墜落。猟犬がその機体を寸断し、小落ちる瓦礫の中から福地がワンオーダーを回収してしまいました、つまり_______我々の負けです]
乱「ッッ!!」
『なんですって』
その時、乱歩は理解した。まるで夏の宵の雷鳴のように、明瞭に何と戦っているのかを。あの男、地の底にあって尚地上を支配する魔人。
乱「僕達の敗因はヤツを排除できなかったこと。
今回も_______後一歩間違えればワンオーダーを奪われるところだった」
太宰の保険により、何とかワンオーダーを奪われはしなかった。しかし、ワンオーダーの封印箱を奪われたのも事実。
乱「やはりフョードルは危険すぎる」
『次会ったら倒しておくべきね』
乱「はは、Aにできるの?」
揶揄うように目を合わせると、間宮はキョトンとした貌で云い返した。其れは其れはまっすぐで、曇りのない瞳で。
『
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誰って?ふふ、アタシにも分からないわ。 - あぁぁああ!!ツンデレ具合が可愛すぎます....!! (5月8日 23時) (レス) @page38 id: 47436d7826 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - ゆいたろー!さん» ほんとにですよね〜! (2月25日 4時) (レス) @page32 id: 24087fee12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 乱歩さんかわいい!! (1月25日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
さぁや - 面白くて一気見してしまいました(笑)これからも頑張ってください! (12月28日 23時) (レス) @page11 id: ee7d1e5722 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - アーテルさん» ありがとうございます!聴いてみます! (11月27日 22時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2023年11月6日 18時