探偵の用心棒5【文スト】【江戸川乱歩】 (ページ13)

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テロリストページ13

『抜け道？』

乱「実はワンオーダーよりずっと簡単な破壊目標がある。ブラムを殺せばいい。吸血種に新たな指示を出すためブラムは必ず連れ込まねばならない。だが、ワンオーダーと違って猟犬の護衛がつかない。

だから僕達はワンオーダーの受け渡しを阻止しつつ、

______ブラムの殺害を真の目的とする」

_______乱歩の指示により各配置についた社員たちは、アンの部屋を後にした。残っているのは、新人の敦と間宮、そして乱歩だけであった。

刀の手入れをしている間宮に、敦は不安げに問おた。

敦「僕達は欧州の護衛官に勝てるんでしょうか？」

『ん？勝てるわよ』

敦「え__」

乱「そうだ敦。僕を誰だと思ってる？」

余裕そうに返事をした乱歩に、敦は「ですが」と続けた。

敦「欧州の護衛官多分、異能力者です。それも超強力な。彼らが福地にワンオーダーを渡せば、全部おしまいです。その妨害作戦だけで何時間、いえ、何日必要か」

間宮は手入れが終わったのか、綺麗に刀を鞘にしまうと『そんな事気にしてたのね』と、まるで然程大きな問題じゃないとでも云うように話した。

乱歩はにやりと口角を上げると、人差し指を敦の前に突き出す。

乱「一秒だ」

敦「えっ？」

乱「欧州を撃退するのは、子供のお使いより簡単だ。A、理由がわかるか？」

『え？』

突然振られた無茶振りに、間宮はまたかというような貌をして眉間に皺をよせた。

『…受け渡しは危険だ。引き返すしかないって欧州が思えばいいの』

敦「確かに…。でもどうやって？」

間宮の答えに納得したのはいいものの、敦にはどのようにそう思わせればいいのか判らないようだ。すると、乱歩はまたもやにやりと口を開き、敦に問う。

乱「忘れたのか？_______僕達はテロリストだぞ」

その瞬間、ジリリリリと電話が鳴り、乱歩が受話器を取った。どうやら、国木田からのようだ。

国［乱歩さん作戦通り、燃料給油車を爆破しました］

乱「了解」

じゃりんと受話器を戻せば、乱歩が先ほど話していたテロリストの意味が敦にも理解できた。爆発が危険と欧州が判断した場合、ワンオーダーを乗せた旅客機は自国へ引き返すだろう。

『此の爆発によって「空港にテロリストがいてワンオーダーを奪う罠があるかもしれない」と欧州護衛官が判断するって事』

敦「！！」

乱「その通り！欧州は福地と違い、今日必ず受け渡しをしなければならない理由がない。だから必然的に、受け渡し作戦は中止になるってわけさ」