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もつべきものは ページ8

兎にも角にも、国木田の怒りを収める鍵を探さなければ。

『うーん…他に思い当たるのなんて私が敵の異能で一週間眠ったぐらい…ん?』

不束にはそれくらいしか心当たりがないようだ。

『もしかして其れかなぁ。でもなんで其れが今回のことと関係あるんだ…?』

さらに頭を抱え、『うぅん』と唸り声を出す。そうこうしていると、事務所の扉が開いた。其処に居たのは_____

谷「不束さん?今は昼休憩のは_______!」

谷崎の台詞が終わる前にビュンっと不束の貌が谷崎に近づく。手をぎゅっと握り、眉を八の字にして呟いた。

『谷崎!もう頼れるのは君しかいない!』

谷「あの、近いです」

『国木田が怒っている理由が判らない!なんで国木田はおこってんの?!』

谷「未だ解決してなかったんですね…」

呆れたように眉を下げる谷崎は、不束の扱いが慣れていることが判る。
谷崎は考え込むように目を閉じると、仕方がないとでも云うように口を開いた。

谷「たとえばですけど、国木田さんが"単独"で敵に突っ込んで怪我をしてしまったらどう思いますか?」

『そんなの許せない。私がそいつら皆殺しにするよ』

谷「そうではなくてですね…否、ある意味合ってはいるのか…?」

ブツブツと独り言を呟く谷崎に、『どゆこと?』と首を傾げる。

谷「要するに、不束さんは国木田さんを"心配"してるって事ですよね。…貴方に独断で突っ込んでいかれる国木田さんの気持ちも、少しは考えたほうがいいと思いますよ」

悪魔でも優しく、そして真意を突いたものだった。其の言葉に、不束の頭の中に"あり得ない"仮説が生まれる。

(其れって、国木田が私を"心配"してるってこと?あり得ない、だって国木田は_______…)

しかしせっかく谷崎が教えてくれた答えだ。間違ってはいないのだろう。乱歩のヒントと重ね合わせれば、辻褄は合う。

要は、"不束が突っ込んでいくことに対して国木田は心配"していると云うことだ。故に、今回の独断専行には学ばない不束に腹を立ててブチギレたのだろうか。

『…変なの』

谷「?何がですか?」

『なんでも。ありがとね谷崎!やっぱもつべきものは優秀な後輩だ!』

よしよししてあげよう!そう云ってぐしゃぐしゃと谷崎の髪を乱す。「やめてくださいよ!」という声が聞こえたが、空耳だろう。ある程度荒らし終わると、不束は再度お礼を云った。

『本当に感謝してる。私だけじゃ、そこ迄考えられなかったよ』

谷「…いえ、役に立てたなら善かったです」

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(プロフ) - ゆいたろー!さん» ご愛読ありがとうございますー!これからの展開が気になりますね! (2月21日 0時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - もしかして、国木田くん元々夢主ちゃんのお姉さんがすき、、、?!三角関係?! (2月20日 22時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 冬蜜柑美味いさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (1月13日 12時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - この作品、超好きです!なんかこう…ドスッと刺さりました!!!頑張って下さい! (1月12日 23時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 黒蜜おもちさん» ほんとですか!すごくモチベになります!ありがとうございますー! (11月12日 19時) (レス) id: 2f7e82fb3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年11月11日 12時

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