探偵の用心棒３【文スト】【江戸川乱歩】

毒 ページ24

(この顔…残念だけど脅しじゃ無さそうね。でも仲間の気配はない_____なら)

日は沈みかけ、人気は少ない通り。

一瞬で殺ればバレないか、と懐にしまっていたナイフに触れようとした。しかし、其の瞬間猛烈な痛みが間宮を襲う。

『ｯなに、これ』

男1「やっと効いてくれたか」

『ｯ、はァ？何、を…ｯ？！』

間宮は先程攻撃された腕の箇所をみると、切り傷から少しだけ充血していた。男が持っていたナイフ、あれを見るに恐らくこれは___ナイフの先端に塗られた毒が体に入ってしまったのだろう。

徐々に痛みは増していき、頭が割れそうなくらいの頭痛がする。彼女は膝をつき、両手で頭を押さえた。

『ｯぃ、ぐ』

冷や汗が溢れ、キーンと金具のような音が響く。まるで頭の中を侵食されていくような感覚だ。其のせいか意識は朦朧としていき、仕舞いには___

『…ぁ』

バタン、と地面に倒れてしまった。男は動かなくなったのを確認すると、「はぁ、」と息を吐く。

男1「たっく、"普通"の人間なら五秒も持たねぇってのに」

男はそう云うと、間宮を担ぎ暗闇に消えて行った。





数分後

乱「A〜？お腹すいたんだけ、ど」

仮眠から目覚めた乱歩は欠伸をしながら階段を降りた。しかし、其処には人の気配はなくまさにもぬけの殻だ。

乱「……ｯ！」

乱歩は少し考えるように立ち止まると、直ぐに宿の外を確認した。宿前の道には乾ききっては居ない血痕。



乱「…やっかいだな」


乱歩は上着を羽織ると、駆け足で其の(・・)場所へ向かった。

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