この度、幼子と暮らすこととなりました。 (ページ2)

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▽幼子と挨拶。ページ2

「…え？おれがおねぇさんと？でも、かあさんは？」

幼子はとても驚いたようで先ほどまで流していた涙はぴたりとやんでいた。
幸いにも今日は休日。彼とゆっくり話ができる。まず警戒心を解かなきゃ、と「おいで」と声をかけリビングまで来てもらう。すると、コクリと頷きペタペタと足音を鳴らしながらついてくる。

…幼子に納得してもらうにはきっとお母さんの知り合いだ、ってことを言わなきゃね。あの紙にはきっとお願いしますとでも書いてあろう。予想するのは安易である。

「お姉さんね、キミのお母さんの知り合いなんやで。せやから、お姉さんのおうちで一緒に住んどいてってお母さんに頼まれてんねん。分かる？」

「わかる。…よろしゅうな！おねぇさん！」

思いのほか簡単に私の話を信じたショタは警戒心は薄いのかもしれない。そう思い、名前を聞く。すると舌ったらずにちーの、と元気に彼は言う。チーノ、いい名前だねと言えば嬉しそうにはにかむ。
そろそろ昼だ。ご飯を作らなきゃ。

うーん、アレルギーあるかもしれないんだよな…。あ、でも段ボールの中になんか入ってた。
そう思い出し再び段ボールの中を見つめると診察手帳と保険証が入っている。ナイス。ナイスすぎる。ペラペラと診察手帳を見ているあたりアレルギー体質ではないようだ。じゃあ、今日はおにぎりかな。

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「…おねぇさんすごいなぁ！すっごくおいしいで！！」

「ホント？嬉しいな。」

作ったおにぎりをラップに包んでチーノくんに渡せば貪るように食いつく。それだけお腹が空いてたんだねぇ、と肘を突きながら彼を眺める。その上、おいしいと言ってくれるなんてすげーいい子だなと思う。ここで私はまたしても気づいた。この子、服もないしコップも生活用品もない。
と、言うことは買いにいかなければならない。

車、出さなきゃな。車の鍵は…と色々と思い出しながら私もおにぎりを頬張った。

(かわいいね)