妖精さんって可愛いよね、【刀剣乱舞】【妖精成り代わり】 (ページ33)

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33話目ページ33

目が覚めるとやはり現実だった
いつもと変わらない風景
……今日は水曜か

「にっ……しても、りくは停学かな」

今回の件、確実にりくは弁解出来ずに
家に待機することになるだろう
そんなことを考えながら着替える

「優乃花といつ決着をつけようかな」

「刀剣の皆がずっと耐えられるわけがないし……」

「けどなぁ」

柘榴ちゃんが連れてきただけで
本当は審神者界とは関係がない
そんな奴が通報したら政府は信用するか？
着替え終わったので部屋を出て階段を降りる

「政府内に内通者を作らないと」

「A？」

「ん！？何！？」

リビングについて席で待っていると
何回呼んでも反応しなかったのか
母が料理を置いて前に座っていた

「いやーなんか内通者とか物騒な事言ってるなーって」

「いやーあはは……なんでもないよ！」

「……嘘つく時頭の後ろに手をやるのは変わらないのね」

「え"」

自然としていたその体制は
昔から嘘をつく時にする体制と直ぐに見抜かれた
親ってなかなか侮れない

「まぁ、居なくなるような事はしないでね」
「……うん」

審神者になったら、戻れないのかな
いつもの様にいただきますといって手を合わせた
変わらぬ朝食の味に涙が出そうになった
まだここに居たい

「ご馳走様でした、じゃあ行ってくるね」

食べ終わり手を合わせると
そのままカバンを持ち靴を履く
母の声を背に家から出る

通学路はりくと遭遇することも無く
ただただ一人足りない景色があった

──────────

そんなこんなで放課後だ
ほんとに何も無かったんだ
りくとは話せないし
優乃花とはこの一件でなんか近寄りづらい
だから授業を聞いて
休み時間一人でボーっとして
そのまま帰ってる

新月先生は今日見れなかった
やっぱり追い込まれてるのかな

ここでふと気づいた
暗い帰り道
たった一人
……これ危ないヤツじゃないか？

カバンをちゃんと持って足を速める
やっぱりだ私の足音ともう一つ聞こえる
けれどローファーが当たってる音じゃない
ってことは生徒じゃない？
いや履き替えてる可能性もある

意を決して少し後ろを向く
あ、

目が合った

「無理ですごめんなさい」

「！待てっ！」

カバンを本気で抱え走る
冷たい空気が肺に入り込んで苦しい
夏場よりキツイ
声的に相手は男だった
だからだろうかすぐに追いつかれ捕まった
手で口を抑えられる
恐怖で後ろを向けない

「逃げんなって」

「んー！んー！んんんんん！」

そういやこの声
朝によく聞いてた気が