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24話目 ページ24

ギシギシと音を立て近ずいてくる優乃花
気づけば電気は消えていて
皆息を殺して優乃花が通り過ぎるのを待った
優乃花の鼻歌が聞こえてくる
その声が大きくなる度に
乱ちゃんの手の震えは大きくなっていく

一番大きく音が鳴るのが終わり
通り過ぎると皆が安心した
そんな時だった

ダンッと音をたて開いた襖
開けた張本人は顔を歪め乱ちゃん達を見る

「何この匂い私のお気に入りの匂いじゃないんだけど……
っては?なんでお前らが居んの?」

皆の小さな悲鳴が聞こえる
後ろにいる五虎退君達なんて泣いている
さっきの言葉は誰に向けてだろうか
沖田組?それとも前田君達?
考えを遮るようにあいつの声は続く

「うっわ最近見なかった奴もいるー
折ったからいなかったのかなー?
まぁ覚えてないしいっかー
てかこっち来いよ」

後ろに居たみんなが少しずつ前へと近づく
行かないで、ダメだ絶対折られる

「今日あいつのせいでイライラしまくりー」

近づくたびみんなの涙の量が多くなる
短刀だけじゃない打刀も太刀もこんのすけも
私を隠している乱ちゃんだってそうだ

「んじゃまずー、乱お前からいこうか
あ、あいつのお気に入りの薬研お前は最後ね」

全員好きに決まってんだろ
そう思う前に優乃花の手は伸びてくる
伸びてくる直前また私の周りだけに
紫の霧が私を囲んだ

次目に見えたのは黒い眼帯
そう燭台切である

「え、なんでいないはずじゃ」

そして思い出したあの記録を
伊達組がレアも関係なく全滅していた
まさか今見ているのがその真相?
ぼーっとしてみていると
なぜか私の隣にいる優乃花がいきなり声を上げた

「なんでそんな事言うの!!」

高い金切り声
その声は鼓膜を刺激する
それを気にすることなく
三人の内の一人燭台切が淡々と言い捨てた

「君にはもうついていけない、契約を切らせてもらうよ」

言い捨てる顔はちゃんと優乃花を睨んでいた
神より立場は低いが人間より立場は高い
そんな付喪神の威厳

当然私はひるんで床に座り込む
座り込んだのは私だけで
伊達組は当然立ってるし
優乃花は少し怯えたものも
直ぐに怒りあらわにする

ここで気づいた
なぜか先程私の優乃花の身長は同じくらいだった
自分の手を見る
足、胴体、そして顔を触って確かめる
たしかに私の体は夢が覚めた時と同じ姿だった

「え?」

戸惑う私をよそに優乃花は言葉を叫び続けた

「だめよ!絶対ダメ!、なんの為に呼んだと思ってるの!
鶴さんも!ねぇ、考え直してよ!」

そんな声が部屋に響く

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溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - ああ!待ってました!これからも頑張ってください!なんでリア友なのに敬語なんですかね! (2018年8月19日 23時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - 新作など頑張ってください!(^q^) (2017年9月30日 19時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - お久しぶりですこれからも頑張ってくだせぇ(^q^) (2017年9月29日 17時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
溜め息(´ ▽`).。(プロフ) - ファイトー!ヾ(  ̄0)乂(0 ̄ )/イッパーツ! (2017年8月5日 1時) (レス) id: 3ed5909315 (このIDを非表示/違反報告)
月の宝石(プロフ) - 溜め息(´ ▽`).。さん» お久しぶりですねぇ!!頑張りますよ!!最新遅いけど!! (2017年8月5日 1時) (レス) id: 60630009e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月の宝石 | 作成日時:2017年6月2日 15時

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