七人の殺人鬼 (ページ17)

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第１７章「静かな争い」ページ17

あれから翌日、私は仕事もなく自由な時間を過ごしていた。…何もなさすぎるのもあれだけどね

ふと自分のスキルの事を思い出し、本を読む手を止めた。…そう言えば私、スキルの使い方分からない

そう考えてしまうとサーっと血の気が引くような思いになった。もしターゲットが同じように殺しに特化したスキルを持ち合わせていたら…

確実に私は身を守るすべもなく殺されていた

貴「…ハハ…」

想像して思わず口から乾いたような声をもらした。
昨晩ではフェリーチェさんから借りた刃物で喉を狙っただけでスキルではなかった

…スキルって自動的に出るものじゃないのかな

かつて幼い頃にやっていたファンタジーゲームは
自動発動だったなぁ…とついつい楽な考えをしてしまった。

このまま使えない状態が続けば他の皆に迷惑どころか危険な目に遭わせてしまう可能性がある

…よし、修業だ。

以前に仕事を始めるにあたって急に参加しても失敗するだけだと言われ、
ノフさんから護身術、フェリーチェさんからは刃物の扱いを学ばせていただいた。

…もうそれはとても大変だった。
でもそれのおかげでなんとか仕事に行けることに

最初の頃は怖くて人を殺せなくなったりした

それにこの世界にはファンタジーっぽく
「魔法」が使える者が結構いるらしい

シロさん曰く、私にも僅かに魔力を感じるらしく
魔法を使える可能性はあるとの事だった

…まぁ修業すればの話だけど

まずは情報を得るべくシロさんの元へ向かった
分からないことがあるとすぐに彼に頼ってしまう

彼は私の世界のことを理解し、転生者と信じて
話してくれるから私も安心して話せるところがある

頼り過ぎて申し訳ないと本人に伝えると
彼は「俺も君の話聞きたいし。良いよ」と言ってくれた。…それでも未だに申し訳ないと思ってしまう

少し急ぎ足で部屋へ向かい、前まで来ると
誰かの話し声が聞こえてきた

あれ、今日空いてるって聞いていたのだけれど

急用なのかもしれない、そう思いその場を離れようとすると扉から勢いよくシロさんが転げ出てきた。
…何故？

シロ「…うぅ…」

貴「シ、シロさん…？大丈夫ですか…？」

何故かボロボロで首の辺りに小さな赤色のあとが
いくつかついていた。

シロ「…え、あ…逃げた方がいいよ…」

そうシロさんが言ったと同時に部屋からフラッと
現れたのは…

イシス「あら～！一緒にお酒飲まないかしら～」

…大分酔ってらっしゃるエルンドさんだった