第16章「確認報告」 ページ16
館に帰り、各々が自由な時間を過ごす。
報告は皆が集まってからなので
恐らく時間はかからないだろうが少しだけの休憩に体を休ませた。
…「黒」と呼ばれる私達は依頼で
ターゲットとされる人を殺害する。
…ようは殺し屋、とでも言うべきなのだろうか
私達の存在は噂としては広まっていたりするが
姿を見た者は限りなく少ないらしい。
殺しを行うのにも見られた人は口封じに殺すか
洗脳するかで確かな情報はないため、
人々は各々捏造した外見を張り出し指名手配をするところもあるだとか。
…まあ、仕事以外で外に出る機会はないのだけれど
いつも自由な時は小さな机とソファーがあるだけの
自室でノフさんから借りた本を読んでいる。
前までは字を解読するのに何時間もかけて読んでいたが最近になって普通に読めるようになってきた。
異世界の本は生前とは違って「夢のようなファンタジー」ではなく「実際のファンタジー」というのが実に面白くてついつい見入ってしまう。
次の展開はどうなるのだろう。
楽しみで胸を躍らせながらも本を読み進めていく
…とあるページで手を止めた。
そこには「異世界の扉」と書かれた章があった
ページを1枚めくるとそこには生前時の光景が
絵となって表されていた
…この章が本当のものであれば
私は…
私の思考と同時にコンコンコンっと扉からノックの音が室内に響いた。私が返事をすると扉の向こうからノフさんの声が聞こえてきた
ロウ「他の奴らが帰ってきたから集まるぞ」
貴「はい、すぐに向かいます!」
そう少し大きく声を出し、本を閉じ机の上に置き
急いでその場を離れた
ジル「今回の目的である人間『イーブル』、その他数名の殺害を終えた。」
…私達が帰ってきてから十数分しか経ってない…。
ジル「遺体は目的人物は壁に杭で打ち込み、それ以外はその場で処理を。建物は血や争いの跡を消し
証拠隠滅してきた。…なにか質問はあるか」
ロウ「…何故、壁に吊るしたんだ」
イシス「依頼でそうしろってあったのよ。
本当に重かったんだから勘弁してほしいわ!」
見せしめ…か。
確かにその方が依頼主が確認する手間が省ける
…でも分かりやすく公開する必要あるのかな
うーん…と首を傾げているとエルンドさんが
私の頰を指でつんつんと軽く突いてきた。
イシス「そんな深く考えなくてもいいわ
ちゃ〜んとお遊び程度のものを仕掛けといたから」
そう言い、エルンドさんは私に向けてウインクした
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