白黒な世界と鮮やかな君。【Shota,W】

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渡辺翔太 side




近くに行っても

近くで見てもやっぱりあいつ。



イヤホン付けて寝てたのか

片方落ちてる。



音漏れもしてるし、

それのせいでチャイム鳴っても

起きなかったのか･･･。


バレないだろ･･･。



そう思って、

スマホを出し寝顔をパシャリ。



『･･･ん』



起きるか･･･



｢おい･･･｣



無反応。



｢おーい｣



変わらない表情。

え、なんで起きないんだ。



｢おーい！！｣



瞼が少し動き、

やっと目を覚ましそう。



｢･･･おい、ずっと呼んでんだけど･･･。｣




『･･･え･･･？』




やっと話せる。


そう思ってちょっと構えた俺が馬鹿だった。




『え、あの･･･どちら様･･･でしたか･･･？』



こいつまじか。

俺、同クラなんだけど。


なんなら、佐久間のせいで

まぁまぁ

というか結構目立ってるはずなのに･･･。



｢･･･まじで言ってんの･･･？｣


『あの･･･、まじです･･･。』



さすがに、俺もちょっもメンタルやられるわ。


でも、


｢まぁ･･･、仕方ないよな･･･

他人に興味無さげだったからな･･･。｣



ポロッと呟いた言葉に、

少し動揺してるのが見えた。


もしかして気にしてたのか･･･？


まぁ、これから覚えてもらえばいいか。



｢･･･改めまして、

俺、同じクラスの渡辺翔太｣



｢てか、優等生ちゃんが午後の授業サボって

何でこんなとこいたの？｣



俺、ちょっと攻めすぎたか･･･？！？！


そんなドキドキしながら答えを待つ。



『･･･何でですかね･･･。

強いていえば、苦しかったからですかね･･･？


あと、優等生ちゃんってやめてください。』



苦しかった･･･？

ほんと答え方が難しい。

まじで優等生じゃん。笑


｢優等生ちゃんもそんな事思うんだ笑｣


『だから･･･。』






｢じゃあ、A｣


『･･･え、』


｢Aって呼ぶわ｣



案の定、

Aは驚き顔。

軽いパニック中かな･･･？笑



でもさ、



｢お前と話してるの意外と楽しかった笑｣



それに俺、



『渡辺くんて変ですね。』



｢んふふ、そうかな？笑

あと、翔太でいいよ

渡辺くんて呼ばれなさ過ぎて気持ち悪いわ｣






『いえ、渡辺くんで。』




Aの事、

本気になっちゃったかも。

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