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A_side.




『逍遥。』


逍遥のカーディガンを引っ張り己の存在を主張する。逍遥は偶に迷子の子供の様な顔になって何も無い空虚を見詰める。逍遥と過ごすようになって2年少し経ってもう慣れてしまったが偶に怖くなる。

何度引っ張っても反応は無く、唯時が過ぎる。


『(…又か……)』


こうなったら私にはどうする事も出来ない。
カーディガンを離して解き終えた数学の問題を置いて途中迄読んだ本を取り出す。之は逍遥が持ってきた本で、”人は自分を救済するために生きている。死ぬ間際にそれがわかるだろう。”と云う内容が気に入っている。
兵器として、兵器になる様に研究された私だけど、いつか私も其れがわかる日が___


「…ッヒュウ」

『…え?』


真逆と思い本を置いて逍遥に駆け寄る。


「ゴホッ…ケホ、ッヒュ、あ゛…ふ、」

『(過呼吸…!)』

*→←第五章_手袋の理由



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作者名:緋山 | 作成日時:2019年8月5日 15時

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