サマトキさんな ページ37
「……おい、着いたぜ。」
「……ん。」
眠い。あたりがもう真っ暗だった。山田と書かれた
札を見て、僕は碧棺さんの車を降りた。
「ありがとう碧棺さん。咲良ちゃんに
どうか宜しく伝えておいてくださいね。」
「おい……なんか上から物言ってねぇか？」
「さぁ、気のせいでしょ？」
当たり前だろ、いきなり人を押し倒して。
そりゃ警戒心もつわ。
「それでは…」
「おい。ちょっと待て。」
なんだよと言わんばかりに後ろを振り返ったら、碧棺さんが僕の腕を掴んだ。
「今度会うときはサマトキさんと呼べ。クソ女。」
「は？……ちょっ！」
碧棺さんは僕の腕をパッと離し「じゃーな」と
一言言い残して横浜まで帰っていった。
「……なんなんだアレ。」
・
・
・
・
〜左馬時side〜
オレは昨日、妹に手を出したと思う男に一発
パンチをかました。
そいつはキャップを深くかぶって紫のメッシュと黒ジャージと怪しげだったがとても華奢なカラダだった。そしたら妹が……ソイツは女だ……と。
その日の夜、妹が俺と口をきかなくなった。
妹に謝ろうとしても部屋から一向に出てこない。
リビングである雑誌を見つけた。
「あ？んだこりゃ……月刊バンドガールズ…」
妹がいつも読んでる雑誌だった。そして
上の方には付箋が貼ってあった。そのページを
めくって見た。
“ 今人気のJKガールズバンド Afterglow ”
そこには6人の女子高生が……。
「ん、コイツ……。」
中心の方には黒髪に紫のメッシュの女が。
間違いない、今日のオンナだ。よく見ると体つきが似ていた。
「……零…か。」
その次の日、俺はそいつの通っている学校であろう
女子校に向かった。入り口で待ってたらそいつが出てきた。
「さ……咲良ちゃんのお兄さん。」
気まずそうに俺を見る。とりあえず車で
そいつの家まで送ろうとした。名前を聞いた。
「…山田零。」
山田……の響きで俺は方向を変えた。
女の顔を見りゃ、あの一郎とソックリだった。
兄貴を馬鹿にされたソイツは俺に言った。
「兄弟を馬鹿にされて黙ってられるわけないだろ！」
しかも、この俺にグーで殴ってきやがった。
あまりにもムカつく態度に俺もつい手を挙げちまった。
「……ってぇ。」
まだあいつにやられた傷が痛む。
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悠希(プロフ) - いざなみ、の漢字違います。“伊弉冊”じゃなくて“伊弉冉”です (2021年1月6日 8時) (
レス) id: 4567dea704 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。そしてオリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月23日 14時) (レス) id: 6c5225143e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャーベット | 作成日時：2018年9月23日 14時
