やめろ ページ36
「一郎と同様、泥にして帰してやる…。」
そう言い、僕に馬乗をする体制でシャツを
脱いできた。大声で叫びたい…というか今すぐ鼻のあたりを殴って逃げ出したい……。だが、此処は人通りが少ないビルの駐車場だった。
「やめて!ちょっ……っ!やぁ‼ 」
男は僕のブレザーのシャツに手をかけてきた。
ボタンの第二部分まで外し、下着が見える寸前だった。
「……チッ……暴れんなコラ。」
「っっ!……やめっ‼ やめろぉー!」
僕はついに、手を上げてしまった。
車内にガッという音がした。男の口から血が出てる。僕は血の気が引いた…。
「……………。」
「あ……。」
しばらく沈黙が続いた。男は殴られた勢いで向いてしまった方向を見たまま、こちらに目を向けない。
「……やっべー………。」
「……っっ〜テェな!このクソ女ァ‼ 」
いやいや、逆ギレ⁉ どこまで腐ってんだよコイツ。
僕は負けじと言い返した。
「はぁ⁉ アンタが手を出してきたからだろっ!
いくらウチのにいちゃんに恨みがあるからって
やり方が卑怯だろ!」
「うるせぇ!俺様の顔を…ぐ、グーで殴りやがって‼
すぐ手をあげるとこは一郎のクソと似てやがる!」
「テメェ!だから一郎にいちゃんを悪くいうなっ
つってんだろが‼ このヤニ野郎が!しかもそのセリフお前がいうことじゃないだろうが!」
ワーワーと車で暴れ出した僕ら。昨日会ったばかり……とかそんなの関係なく、僕らはただ口で、手で、お互いを殴っていた。
・
・
・
・
・
「「…………。」」
そして車の中の乱闘は終わりを告げた。
僕は手に青赤い痣。おにーさんは顔の傷がさらに酷くなっていた。
「なかなかやるじゃねえか。女のくせに」
「……はぁ、疲れた。あんたのせいだ。」
「はっ…ぬかせ。」
そしておにーさんは車を出した。「家を教えろ」
と僕に言い、赤く照らされた道路を走った。
「そういえば、僕お兄さんの名前聞いてない。
一応聞いておいてあげますので……名前。」
「………碧棺左馬刻。」
「サマトキ……か。」
「サマトキさんって呼べ。」
「絶対やだ。咲良ちゃんはあんなにいい子なのに
なんであんたはそんな上から目線なんだよ。」
「テメェに言われたかねぇなダボ。」
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠希(プロフ) - いざなみ、の漢字違います。“伊弉冊”じゃなくて“伊弉冉”です (2021年1月6日 8時) (レス) id: 4567dea704 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。そしてオリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月23日 14時) (レス) id: 6c5225143e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シャーベット | 作成日時:2018年9月23日 14時