おわび ページ35
「ちょっ……おにいさん⁉ 」
僕の腕を強引に引っ張り、歩くその男は
ビルの裏駐車場の車の扉を開けた。
そこから多量の中華料理の袋やら箱やらを出し、
僕に押し付けてきた。
「これって……に、肉まん。」
「……とー…なんだ。昨日は悪かったな((ボソッ」
「え?」
昨日…僕を殴ったことか。
「いえ、こちらこそ紛らわしいカッコで
いきなり……すいませんでした。」
「……咲良から全部聞いた。お前、あいつがナンパにあってるの助けてくれたらしいな。」
「あ……まぁ、ほっとけなくてつい。」
「……ふん。乗れ、ついでに送ってってやる。」
「え。」
そして強引に助手席に乗せられた。荷物とお土産は後ろに詰められ、お兄さんは運転席へ。
お家までのドライブが始まった。
「おまえ、なんであんなカッコで歩いてたんだ。」
「あー、まぁ動きやすいように。」
「……紛らわしいんだこのダボ。」
タバコを吸いながら片手でハンドルを回す。
「……そういや名前聞いてなかったな。お前、名は?」
「え……や、山田零…です。」
「あ?山田ダァ??」
キキキキキィィッッと車をいきなり停めた。
僕はその勢いでゴンッと頭を打った。
「ったぁ〜!おにいさんなにするんですか‼ 」
「………おいテメェ。あのクソ一郎の妹か?」
「………は?い、いちろう……なんで兄のことを。」
するとお兄さんは僕の顎をグイッと掴み、顔を近づけた。すると「チッ」と舌打ちをしてこちらを見据えていた。
「………道理で胸糞悪りぃと思ったぜ。まさか………あのダボに妹がいたなんてな。」
「っ! 一郎にいちゃんをそんな風に言わないで!」
パシッと腕を解いた。痛い。昨日こいつに殴られた傷口が開いてきた。
「はっ。弟だけじゃなく、妹までこんなションベンくせぇとはな…。」
「…………なんなのあんた。」
「ほぉー。威勢はいいんだな。」
「兄弟を馬鹿にされて黙ってるわけないだろ。
この糞ヤニ野郎が……。」
すると、男は僕の胸ぐらを掴んできた。
「あ?誰に口きいてんだこのクソ女。
女に手を出すのは主義に反するが……一郎の妹なら
満更でもねぇ……。」
そう言い、お兄さん……男は助手席の方に身を乗り出してきた。そして座席を後ろに倒し……
「………一郎と同様、泥にしてやんよ…。」
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悠希(プロフ) - いざなみ、の漢字違います。“伊弉冊”じゃなくて“伊弉冉”です (2021年1月6日 8時) (レス) id: 4567dea704 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。そしてオリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月23日 14時) (レス) id: 6c5225143e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーベット | 作成日時:2018年9月23日 14時