犯罪よ? ページ17
〜続き一二三side〜
シャッター音がした先の方を見る。
すると、見覚えのある人物だった。
「……零……さん?」
「……だ、誰よアンタ!」
女は焦ってスーツを整えた。その姿を見て
悪戯っぽくフッと笑う零。彼女は自分のスマホを見て苦笑していた。
「……すごい顔だね。猛獣みたい。
ところで、なんでそんな純粋青年をこんな路地裏
に連れ込んで服を脱がそうとしたのかなぁ?」
零さんは……俺が昨日会ったあの優しい顔では
なかった。
「なっ!あ、あんたには関係ないでしょ!!
……さては私から一二三を奪おうとしてるのね⁉ 」
「………え?」
違う。この子は関係ないんだ。
そう言いたいが、口がうまく動かない。
自分の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
すると女はまた自分の方を向いて……
「ひっ一二三! ち、違うわよね…⁉
こ、こんな薄汚い女なんて……ひ、一二三に
こ、恋人だなんて………。」
「ひっ……た、たすけ……」
その光景を見た零さんは、ハァーッと重い
ため息を吐いた。
「その人は僕の知り合いだよ。ただの知り合い。
だけど、僕が尊敬する人の大事な人でもあるんだ。
だからおねえさん、悪いけどその人をこれ以上怖がらせないでくれる?」
零さんは女の方を見つめて言った。
「はっ私は…一二三に私の愛を分からせようとしただけよ!べつにっ悪いことなんてしてないじゃないのよ!餓鬼がでしゃばるのもいい加減にしなさいよ‼ 」
いやだ、こんなのただの拷問じゃないか…。断ったらどうせ殺すんだろ……。
「へぇー。いいんだ、この動画。
そこの交番でお巡りさんに見せてもいいんだよ?」
「っ!だから犯罪じゃないって言ってんでしょ!」
「だって、おねーさんやめようとしないでしょ?」
「っいいからその携帯寄越しなさいよ!」
バッと女が零さんに飛びつこうとした。すると
零さんは軽く女をかわし、
「ゔっ ……っいっ!」
グイッと強引に女の胸ぐらを掴んだ。
「おい、このメンヘラ…。せっかくあたしが10秒立たないうちに帰れっつってんだよ。これ以上イライラさせないでくれるかい?不愉快なんだよ。」
「ひっ……」
女はダッと帰っていった。零さんが女になんて
言ったのか聞こえなかった。
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悠希(プロフ) - いざなみ、の漢字違います。“伊弉冊”じゃなくて“伊弉冉”です (2021年1月6日 8時) (レス) id: 4567dea704 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。そしてオリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月23日 14時) (レス) id: 6c5225143e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーベット | 作成日時:2018年9月23日 14時