憑依少女Ⅱ (ページ5)

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ワガママページ5

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風が起きて髪が靡く。

髪を靡かせながら私達を映すカメラをじっと睨むようにして見つめる。

監『はい！OKです！確認します！』

語るなら未来を・・・MVの撮影日。

2列目のメンバーシーンでの撮影。
後ろで皆が楽しそうに笑う会話に、1人だけついていけないでただ地面を見つめた。

·······························
················
······

上「 Aちゃん？どうかした？体調悪い？」

「 ·····無理だ、」

上「 Aちゃん····· 」

休憩時間。

しゃがみこんだ私に近づいてきた莉菜ちゃんは、私の横にしゃがんだ。

·····私はただ不安でしかなかった。

「センター無理だよ·····、怖い」

上「 ······· 」

「私なんかよりも平手の方がプレッシャーヤバいのにね。平手の方が辛いのに·····、ちょっとの時間だけセンターを務めるだけでこんな弱気になってるのってワガママだよね······。」

2番目で交換するセンター。

2番目のサビは本格的に私がセンターを務めるのは決まっていたし、何回も練習してきた。

でも怖い。出来るかどうか。自分に自信がない。

上「 ····！すみません、ティッシュください！」

ずっと私の背中を摩ってくれた莉菜ちゃんは、
近くにいたスタッフさんに声をかける。

その行動に疑問は抱かなかった。

ぼやける視界。一瞬だけスッキリしたと思って見えたのは、地面に落ちる涙。

全てを察した。

「 ·····っ」

上「はい、」

莉菜ちゃんに差し出されたティッシュを受け取って、メイクに支障が無いように丁寧に涙を拭くけど、涙は次から次へと出てくる。

あぁ、、。だめだ。

ｰｰｰｰｰｰ弱いな、私······。

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