Prince of Triple face２【降谷零】 (ページ45)

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「危ないな、気をつけて」

『う、うん…』

み、魅力的って……私なんかより零さんの方がとっても魅力的なのに…

紅茶のティーパックを入れたマグカップを2つ用意したのだけど、あっという間に零さんに持っていかれてしまった。
……しまった、紅茶を入れたのにお菓子が……

『零さん、お菓子、ザラメお煎餅でもいいですか？』

「全然問題ないが、A、煎餅が好きなのか？」

『初枝おばあちゃんに頂いたらすごく美味しくて、色んな味のザラメお煎餅にハマっちゃってて』

「あのフラワーショップの？それは楽しみだな」

お皿に出したお煎餅をテーブルに置くと、零さんの隣に座った。
私のお家に零さんがいるなんて、なんか不思議……

「初めて来た時も思ったんだが、可愛らしい部屋だよな。Aらしい雰囲気だ」

『は、恥ずかしいのであまり見ないで下さい…』

「僕だって、どんなAも知りたいからな。君の恋人の僕としても、探偵と探り屋の顔を持つ僕としても」

『探…⁈』

私に顔を近づけてそう言う零さんは、今少し意地悪モードだ。
私が照れてしまうのをわかっていて、反応を楽しんでいる感じ。
表情はとても優しいのに、すごくずるいです…

『あれ…？私といる時の零さんって…どの零さんなんだろう？』

「ん？どの、とは？」

『えっと、警察官の零さんと、探偵でポアロの店員さんの透くんと、組織で悪いこともしなくちゃいけないバーボンさんと…どの零さんが近いのかなって…でも何か違う気が…』

「それは全部不正解だな」

『ええっ？』

零さんはわかりやすくため息をつくと、私の腰を抱き寄せて胡座をかいた彼の膝の上に私をのせた。
そして額同士をくっつけて見つめられてしまって、私は思わず息を詰めてしまう。

「こんなにわかりやすくしているのに伝わっていなかったなんて」

『わ、わかりやすく…？』

「…Aといる時の僕は、君を愛する唯の男って事だよ、お姫様」

『っ‼︎ 』

少し頬を染めた零さんの唇が私に重なった。
久しぶりの彼とのキスに言葉通りに蕩けてしまって、縋る様に彼の胸に手を添えると、密着した所からお互いの鼓動が高鳴っているのが伝わって来る。
零さんもすごくドキドキしてる…
2人の気持ちがシンクロしている気がして、気恥ずかしいけどとても嬉しく感じる。

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