4-14 ページ45
私がワタワタと着替えているうちに、零さんは朝ごはんを作ってくれていたみたいで、お味噌汁のとてもいい香りが部屋中に広がっている。
『お手伝いします』
「着替えちゃったのか?」
『当たり前です!恥ずかしいもん…』
「はは。今度はパジャマを忘れないように」
優しい笑みで手渡されたお皿には、だし巻き卵と焼き鮭がのっている。
とっても美味しそうだけれど、それって、またお泊まりしてもいいって事なのかな…?
『…うん!すごく美味しそう』
「A、ご飯の量はどれくらいだ?」
テーブルに2人分のお皿とお味噌汁を置いてから、一緒に炊飯器を覗き込んで、ご飯をよそう。
私のは少しなのに、零さんとっても大盛り!
「『いただきます』」
朝から零さんお手製の和食を頂けるなんて、幸せです。
…そういえば、一緒にご飯を食べるのって初めてかも。
『零さんが食べてるとこ、初めてみました。沢山食べるんですね』
「Aが少食すぎるんだよ。僕は自分で作ったものしか食べられないからな」
『そっか…お仕事の関係ですか?』
「そんなところかな。Aが作ってくれるなら食べてみたい」
『‼︎ 頑張ります』
信用してもらえてるって事なんだなぁって、嬉しくなっちゃいます。
零さんは朝からしっかり食べる人、ときちんと記憶しておきます。
.
151人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時