1-2 ページ3
「お待たせしました。バニラマカダミアナッツフレーバーコーヒーと、ハムサンドです」
横で、優しく落ち着きのあるテノールボイスが響いて、ハッと視線を上向けた。
手慣れた仕草で、テーブルに料理を置いてくれたのは、ブロンドの髪に、引き締まって見える褐色肌の男性店員さん。
何より惹かれるのは、スイスブルーやロンドンブルー、ス カイ ブルーといった3つの色合いによってそれぞれ違う表情を魅せるブルートパーズの宝石のような瞳で…
『っ…、ありがとうございます』
見惚れてしまっていたのがバレてしまったのか、にこりと微笑み返されてしまい、慌ててテーブルに広げていたノートを閉じ、本と一緒に重ねて端へ追いやった。
『…美味しそう…』
「ありがとうございます。フレーバーコーヒーですので、香りを楽しんでいただくのにはブラックがお勧めですが、宜しければ此方のミルクと蜂蜜もお好みでお使いください。どうぞごゆっくりお過ごしください」
カウンターへ戻って行ったイケメン店員さんが側からいなくなって、ホッと息を溢す。
普段接触する機会のない類稀な存在に緊張してしまっていたらしい。
『…いただきます』
軽く両手を合わせてからコーヒーカップを手に取りひと口飲むと、程よい酸味がありながらコクのある芳ばしいマカダミアナッツの香りと、バニラビーンズの甘い香りが口の中に広がった。
美味しい…!
中々出会うことができないハワイコナコーヒーを米花町で味わうことができるなんて、幸せすぎる。
噂に聞いたハムサンドは、一見普通そうだけれど…
手に取ってパクリとひと口食べてみる。
『!!』
ものすごく美味しい…!
パンは凄くふわふわだし、シャキシャキのレタスとハムも美味しいし、マヨネーズ…?も入ってるのかな?
…とにかく絶品!
誰もがそういうに違いないサンドイッチを食べられて最高の気分です。
.
151人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時