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うーーーん、帰ってこない
いくら社会人になったとはいえ
連日呑み歩いて帰ってくるなんて
今日という日はガツンといってやろうと
駅で呑んでくると言った付近の居酒屋を巡っていた
はちみつ色の頭を発見した私は
つい大声で名前を呼んでしまった
彼と呑んでいたであろう人を見る
……うそ
後ろ姿だけどこの髪色に覚えがあった。
昔好きだと言われた生徒に…
どうして、総悟と?
いてもおかしくない、同級生だ
…けどあの件から総悟からは神威くんのこと話そうとはしなかったから関わっていないかと思っていた。
早くここから去らないと…
じゃないと彼は過去に囚われたままになるから
「せ、んせい…」
どうやら遅かったみたいだ
振り向けない怖くて
あんな別れ方をしたんだもの
「ちっ…なんで来てんでィ馬鹿A」
ついカッとなって後ろを向く
そこには高校生だった時三つ編みだった彼。
今は髪が短いみたいだけど少し大人びた彼に胸が高鳴る。
『ひ、久しぶり…とりあえず店出ようか』
お店の人達に迷惑かけまいと近くの公園に来た私達はしばらく沈黙が続いた
「言いたいことお互いにあるんじゃねェですかい?」
「…あるよ、たくさん。あるけど……もう会えることはないと思ってたから、その…嬉しくて言葉に出ないや」
「1番合わせたくなかったのにねィ…」
「それってどうゆうこと?…あの時謝れなかったことが心残りだった。謝っても許されないことをしたのはわかってる…けど総悟はその気持ち1番知ってたはずなのにどうして!」
『…ゆっくり聞くよ、私の家においで』
「嫌でさァ」
『総悟、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。この子は…神威くんはあの時に縛られてるんだよ』
「ちっ」
総悟は渋々頷いた
やっぱりあんな別れ方じゃ
忘れられないよね…。
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時