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『総悟、聞いて』
「嫌でさァ!…俺ァ中学の時から好きなんでさァ、それなのになんで神威なんでィ…俺が一番分かってるのに」
『なにいってるの?…私は総悟も神威くんも神楽ちゃんも…もちろん先輩もとても大事な人よ』
「そんなことじゃねぇ!恋愛感情としてなんでィ!」
『私は………総悟は弟としてしか見れない…ごめんなさい』
「それは…俺はAと暮らしてなかったら好きになってたんですかィ」
『ううん、もっと前から弟としてしか見てない…ひどいこと言うけど1度も恋愛感情は抱いてない』
「そう…ですかィ……俺ァ罰が当たったんですかねィ…」
『罰だなんて!そんな事言わないで…』
「…すいやせん、ここまで言われて俺ァお人好しじゃありやせん。引っ越しやす」
『総悟っ……ううん、この方がいいのよね』
もちろん今まで暮らしてて
嫌だとか鬱陶しいだとか思ったことは無い
…だからかな、ちょっと悲しいのは
「……神楽のところに行ってきまさァ」
「………はぁ、総悟はそれでいいの?喧嘩したまま頭に血が上ったままの勢いで家を出るって心にもないこといったんでしょ」
「なんでィ、1番喜ぶのはてめェだろ神威」
「こんな形で家を出るって言われても両方心に傷が残ると思うけど、本当にAさんが好きなら神楽とは別れてやってほしい…総悟は逃げてるだけだよ。諦めるならそんな嫉妬心は捨てろ」
「ついカッとなって言った言葉とはわかってまさァ…引っ越すなんて考えてなかったんでィ、けど諦める努力はしてるんでィ…あいつにも悪いと思ってまさァ。無意識に言葉が出てくるんでィ…」
『総悟…っ』
「なんでお前が泣くんでィ…」
『苦しいんだよ、ね…つらいよね。私はいくら傷つけられても嫌いにはならないよ、答えは見つからないけど…っ』
「当たり前でさァ、お前ェはマヨラーしかわかんねぇしな…でもこうやって今まで溜め込んでたもの吐き出せて少し楽になりやした。神楽に謝ってきやす」
『行ってらっしゃい』
彼の背中を見送り
気が張っていたのかその場でへなりと座った
「…総悟も頑張ってる、Aさんは?頑張らないの?」
『なに、を?』
「Aさんさ、俺の事好きでしょ」
『は、い…?』
何言ってるんだこの子は
この好きは恋愛感情としてじゃない
だって先輩と全然ちがくて…
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時