12 ページ13
.
背中に感じる神威くんの体温。
『か、神威くん…離しては頂けないだろうか』
「何その言い方、本当に男慣れしてないんだね。ほら耳まで赤くなってる」
耳元で聞こえる声がくすぐたっくて
ビクリと身体が震えた
「総悟に貸切風呂よかったからって鍵もらってよかった…こんな可愛いAをみれた」
普段さん付けなのに今に限って呼び捨てだなんて…ずるい
「ははっ、耳弱いんだね…思ったより華奢で……食べちゃいたいくらい」
『なっ…!』
肩に舌を這わせて
静かな場所でリップ音だけ響いた
身体を見られても仕方ない
このままじゃいろんな意味でダメよ!
そう思い脚に力を入れると
視界がボヤけ意識が遠のいた
『う……そ……っ』
『…ん〜…』
「あっ!気づいたアルか!」
『か、ぐらちゃん?』
「総悟もバカ兄貴もそこにいるネ……ごめんネ。私があんなこと言ったからバカ兄貴と…」
『はっ!そうだった!あの時フラッとして…』
「逆上せたんでィ…神威が慌てて来たんで何事かと思えば……今回はAがずるしたから悪いでさァ」
「服は私が着せたアル!安心するネ」
『ごめんね、迷惑かけちゃった』
「大丈夫ネ!そんなことよりバカ兄貴に何かされなかったアルか?」
『だ、大丈夫だよ?ちょっとびっくりしただけ』
「それならいいアル!…総悟とちょっと飲み物買ってくるネ」
そう言うと2人は出ていった
神威くんは隣に座ると私の頭を撫でた
「ごめん、そりゃ長く入れば逆上せるよね…あと歯止め効かなくてあんなことしちゃった」
『私も気づかなかったし…嘘ついて貸切風呂入ってたんだもの神威くんは悪くない…けど意地悪しすぎよ。あんなことされたら…』
「…されたら?」
『ドキドキしてパニクっちゃう』
「……嫌じゃなかったの?」
『へ…?』
「普通は嫌がるでしょ」
『……うーん、今まで困ったけど嫌とは…』
「それって……ううん、なんでもない。まったくAさんは純粋すぎ…まぁ、総悟がそうさせなかったんだろうけど」
『でもそのおかげで悪い虫はつかないでしょ?』
「俺は悪い虫だよ」
『ぷっ…ははっ!そんなことないよ!神威くんはいい子だよ…今回はその歯止めが効かなくなることはなんとなくわかるから』
「ふーん、今も襲いたいくらい気が狂いそうだけど」
『ええっ、なんで』
「自分の胸元みてみなよ」
『は!着崩れしてる!』
「油断し過ぎだよ」
軽くデコピンをされ笑った
.
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時