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「お前は…馬鹿か!」
『ひっ!』
「生徒を家に入れる馬鹿お前くらいだぞ!今すぐ追い出せ馬鹿!」
『で、でも神威くんの話聞きたいし…家に帰りたくないって言ってたし…』
「どうせ提案したもの却下されて家だったらいいってなったんだろ」
『お、おっしゃる通りでございます…』
「ガキにまで甘く見られてんじゃねぇか…ったく、話早く終わらせてさっさと戻ってこい!」
『承知致しました!』
先輩に散々馬鹿と言われ怒られた…
怒るとほんとに怖い…
学校に戻ったらこっぴどく絞られるんだろうなと身震いしながら神威くんにお茶をだした。
「とーしろー先生に怒られた?」
『そりゃもう鬼の様な……って私の話はいいの!家に帰りたくないって暴力でもふるわれてるの?』
「違うよ…小さい頃、俺と妹とハゲオヤジを残してお母さんは死んだんだ。元から体が弱かったから」
『そう…』
「ハゲオヤジもいつも外に出てて家に滅多に帰ってこない。そんな兄妹だから周りから見放されて俺達はいじめの標的になった…だから強くなってやろうと思ったんだよ。昔は妹のためだったけど…今はなんのために喧嘩してるのかわからない」
小さいながらも妹を守ってそれだけでも強いって思うのに。
ずるずる今までやめるにもやめられなかったのかな
『神威くんは妹さんがとても大事だったんだね。強くなろうって思ったのは凄いことよ。でもね暴力はダメ』
「どうして?向こうも殴ってくるんだよ、」
『殴り返したってまた恨みが募るだけじゃない。助けてって言ったら助けてくれたかもしれない』
「言ったでしょ、周りからも見放されてたって」
『そうだね、でも今は?』
「今?総悟はよく話すけどそこまでの仲じゃないし」
『だったら次からは私に言って!喧嘩になった時電話して、これ電話番号…だからもう暴力はやめよう?』
「ふ…先生が来たってお荷物になるだけじゃん」
『何言ってるの!私は力になるよ!だって神威くんは私の生徒だから!!私だけじゃない…神威くんが考えてる世界よりもっと世界は広いの!助けたいって思ってる人は他にもいると思うよ』
「ふーん、わかったよ。次何かあったら先生に言うよ……ところでさこの前屋上でとーしろー先生とキスしてたよね」
え?キス?私と先輩が?
もしかしてあの時茶化された時の?
『違うわよ!茶化されただけよ!キスなんてしてません!それに土方先生は恋人がいるんだから!』
「なーんだ勘違いか。良かった」
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時