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次の日、
私は神威くんと校長室にきていた。
そこには先輩の姿もあった
呼ばれたのは昨日の件だろう
誰かに見られていたみたいだ
「単刀直入にいいます。昨日教室で抱き合っていたという報告がありました、事実なんですか?」
『はい、事実です』
「…付き合ってるということですか?」
『いえ、付き合ってはいません。』
「では、なぜ」
ここで神威くんが抱きついたと言えば
私のクビは飛ばないだろう
…けど神威くんはどうなる?退学?
そんなのダメだ、まだこの子には未来がある
ただ純粋に恋をしただけそれが先生だっただけのこと…私にしてやれることはひとつしかない
『…私が神威さんに好意を寄せてました』
「ち、ちがう!これはっ!」
『貴方は少し黙ってなさい…それで昨日嫌がる彼を抱き締めてしまいました』
「…非常に残念です、土方先生から名字先生は昔から教師に憧れていたと…輝いてる人だと言っていたのに私の見る目がなかったんですかね」
『期待を裏切る形になり申し訳ございませんでした。この通りです、彼にはまったく罪はありません。彼は戻していただけませんか』
「いいでしょう、」
「先生、どうして!俺が…」
『神威くんは悪くない、だからね後悔はしないで。ちゃんと卒業してよ?』
まだ何か言いたそうな顔をしているけど
半ば無理やりに部屋から出した。
「処分はわかってますね?」
『はい、覚悟してます…短い間でしたがありがとうございました。』
私と校長先生のやりとり
ただ悲しそうに黙って見ていた先輩に
私は心が痛んだ。
「…だから言っただろ、距離おけって」
『坂田先生の言う通りになってしまいました、けど後悔はしてません。…短い間でしたがありがとうございました』
「元気でやれよ…また呑みにいこうや」
職員室で荷物をまとめた私は
先生に一言いってこの学校を去った。
私はどこで間違っていたのか
考えてもキリがないけれど
この学校に務められて心からよかったって思う。
その反面先輩を裏切ってしまった
本当はやめたくなかった
生徒みんなの卒業姿をみたかった
あぁ、馬鹿だな…もう終わったことなのに
私は唇を噛み締め帰路に着いた。
1st〜完〜
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時