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時間というものはあっという間で…
もう夏休みに入った。
生徒はお休みだけど先生は違う。
現に今も学校に来て仕事中だ
『私にも夏休みが欲しい…』
「なぁに馬鹿なこと言ってんだ。口動かさないで手を動かせ」
『はーい』
「ふっ…名字先生はほんと子供みたいだな…一般の社会人よりは休みはあるんだ。そう考えると教師はいいもんだろうよ」
『それはそうですけど…日本人は働きすぎなんですよ!』
「じゃあ、生まれ直してこい。」
『土方先生冷たいです』
「おー、かわいそうになぁ」
「高杉先生は甘やかしすぎだ」
「そんなことねェよ」
「…そういやお前ェ、両親の墓参り行くのか?」
『あぁ、今年は行ってみます』
「そうか、じゃあ俺達も行くからよ」
『別に大丈夫ですよ』
「いいや、お世話になってたしな」
『わかりました』
「へぇ…ご両親いねぇのか」
『はい、私が高校生の時に事故で』
「そう、か」
『やだなぁ、そんな暗くならないでくださいよ!』
「そんなんじゃねぇよ」
『そうですか?』
一瞬暗くなった高杉先生が少し気になったけど
あまり深追いはしないでおこう。
さて、もう少しでも仕事も終わるし頑張らないと!
『はぁ、疲れた』
「1番若い癖に何くたばってんだ、ついでだ送ってやる」
『ほんとですか!?ありがとうございます!』
『車最高ーーー!!』
「少し前のお前なら言わなさそうな言葉だな」
『いつまでも引きづっててはだめですからね』
「そりゃそうだ」
先輩は少し笑いながら車を走らせる
本当はまだ少し怖いけれど
あの時ほどは辛くない。
時間が忘れさせてくれるって
本当なんだろうなって思うけど
それと同時に少し悲しい気持ちになった。
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時