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修学旅行は無事終わり
学校はいつも通りの日常になった。
ただひとつだけ変わったことは
私は必要以上に神威くんに話さなくなったことくらいだ。
「なんでィ、その顔。お化けかと思いやした」
『沖田くん、それは失礼では!?』
「思ったことを言っただけでさァ」
『…あともう少しで夏休みだね、もう3ヶ月経つのかぁ』
「急にどうしたんでさァ」
『私はちゃんと教師として成長できてるのかなぁって思っただけよ』
「らしくないねェ…」
昔から知ってる沖田くんが言うなら
私は今どうかしてるのかもしれない。
この3ヶ月間を思い出してみても
いつもそこには神威くんがいて
面白いことを言えば
時に叱ってくれる。
そんなまっすぐな少年に私は今悪いことをしていて
こんな思いなら教師なんて…って
ふと思ってしまうけれど
教師としてまだまだ未熟なんだと思い知らされる
『はぁ…』
「どうしちまったんでィ」
『ほら沖田くんは次の授業行かないと』
「こんな顔してる奴置いていけるわけないでさァ」
『はは、私は大丈夫よ。ちょっと考え事してただけ』
「ふーん…そういや神威も元気ないんでさァ。先生に避けられてるとまではいかねぇがいつもの先生じゃねぇってな」
『……』
「だいたい予想はつくけどねィ…あまり気に止まねぇでください、こればかりは仕方ないでさァ」
『普通に接してたつもりなのになぁ』
「あいつにはそうは思わなかったんだろ、普通に考えて神威をあそこまで見る先生はいなかったんでィ…だから気に入られたのかも知れねぇが」
でも、おかしいな
あって数日経たないうちに好きって言われたけれど…あの時は本当にからかってただけなのかな?
というか!神威くんが私のことを好きって分からないじゃない!
これで違かったら単に神威くんを傷つかせただけに……うぅっ
わからなくなってきた!
「まぁ、気に入ってるのは確かだと思うぜ」
『人の心を読まないでください』
「顔に出てまさァ」
『もうやだ、この人』
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時