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『ふぅーーー』
修学旅行最後の夜
私は1人温泉に入っていた。
昨日は部屋に備え付けてるお風呂に入ってたけど
今日は最終ともあって交代で温泉に入ることになったのだ。
『独り占めできるって最高ーーっ!!』
「ぶふっ」
『へ!?この声は坂田先生!?』
「まさか叫ぶとは思わなかったわ…ぶはははっ!」
『ちょ、今のは内密に…まさかそちらにも人がいるとは思わなくて…』
「馬鹿だね〜」
『よく言われます…』
「だろうね、先生さー」
『はい?』
「神威くんだっけー?好かれてるでしょ」
思わずビクリとする
この静かな場所で動揺した水の音だけが響いた
『か、からかわれてるだけですよ』
「そうかね〜…わかってると思うけど相手はガキだ」
『はい』
「俺ァ…過去にそういう関係になってクビになった奴も見てる。手遅れになる前にアイツとはすこしきょりをとることだな」
『……距離っていっても神威くんは私の生徒です、そんなこと……』
「できねぇ……か?できねぇじゃねぇ。やるんだよ、どんなに怪しまれても好きになられたら終わりだ。」
『……っ!…わかりました。』
「まぁ、それを望んでるって言うなら俺の話は聞かなくていいが…おまえ、昔からの夢だったんだろ。ようやく教師になれたんだ…マヨラーも喜んでたんだぜ」
「いつまで入ってんだ!」
「おー、わりーな。今上がるわァ…そういうこった。あとはどう取るかはお前さん次第よ」
『ご忠告ありがとうございます…』
「Aか、何かあったのか?」
『ううん、なんでもないです』
「…そうか、おめェもさっさとでろよ」
坂田先生の言葉が重く伸し掛る
坂田先生の言う通りだ。
だけど初めての生徒でどこまでが接していいラインなのか私にはまだわからない。
わからないままそのラインをいつの間にか超えてしまっていたのか…。
神威くんを傷つけずに距離をとるなんてできるのかな
……できないよね。
どっちかが傷つくのは確実なのだろう
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時