【三人称】今夜はあなたと【短編集】 (ページ2)

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【標準】　パパ始めました？ページ2

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前日の疲れがまだ少し残ったまま目が覚めた。今日は休日、久しぶりの三連休で思う存分のんびりできる。

『ふぁ〜あ…』

まだ眠たい目を擦りながら大きな欠伸を一つした。
もうAちゃんは起きてるだろうか、休みだからまだ寝てるかもしれないな。

とりあえずリビングにいないか確認したけど姿はなかった。

『まだ部屋で寝てるかな？』

いつもなら俺よりも早く起きて朝ごはんを作ってくれるAちゃんだけど、休みの日は俺みたいに寝坊する。
Aちゃんの部屋のドアをノックしてみたが、返事はない。

『やっぱり寝てるかな…Aちゃーん、入るよー？』

ドアを開けると、ベッドの真ん中辺りが膨らんでいた。
やっぱりまだ寝てた。でもそろそろ起きてもらわないと、俺のお腹が悲鳴を上げてしまう。

『Aちゃーん、早く起き…』

布団を掴んで捲った瞬間、俺は固まって動けなくなってしまった。
今見ている光景が信じられない。

『な、なんで…Aちゃんが…Aちゃんがちっちゃくなってる？！』

なんとベッドで寝ているAちゃんは、驚くほど小さくなっていた。おそらく5歳ぐらいだろうか。

『な、なんでこんなことに…ん？』

ふと机の上を見ると、空になった栄養ドリンクぐらいのサイズの瓶が置いてあった。
それと一緒にメモも置いてあった。

『なんだこれ…Aちゃん今日はありがとう、お礼に面白いもの見つけたからあげるよ…』

メモを上から下まで目を通した。最後の行に書かれていたのは

『…鉄塔より』

犯人はあのおっさんか、一体何考えてるんだよ…
とりあえず鉄塔さんに電話をかける。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ…
「はい、もしもし？」

『ちょっと鉄塔さん、Aちゃんに何飲ませたの！』

「あ、おはよう標準さん笑それでAちゃんどうなった？」

『小さくなっちゃったよ！何飲ませたの？！』

「子供になるドリンク、たまたま見つけて面白そうだったから」

『なんでそんなもの…てかなんでAちゃんに飲ませたの、これどうやったら戻るの！』

「標準さん喜びそうだなと思って笑あと戻す方法はないよ、数時間か一日で戻る」

『全然嬉しくないし時間経たないと戻らないの？！』

「まぁまぁ、そういうことだから今日は思う存分楽しんで〜笑笑」
ﾌﾞﾂｯ

『切られた…』

大きな溜め息を一つして、ベッドの上を見る。Aちゃんはまだ寝ている。