深愛４２ ページ42
｢……吉良さん。｣
行き場を失っていた両手をそっと彼の胸板に添え、そこに私も顔をうずくめた。
暖かな彼の体温と、微かに吉良さんの心臓の音が聞こえる。
彼は今、どんな表情を浮かべているのだろう…。
そう心の中で思いながら、私はゆっくり口を開いた。
｢ごめん、なさい…。吉良さん。私…今まで人を好きになったことが無くて、自分の気持ちに気づくの、遅くなりました…。｣
すると、吉良さんは私の頭をさらりと撫でられ、頭に彼の大きな手の感触が感じる。
吉良｢お前の正直な気持ちを言えよ？他の奴等がどうとかそういうのは関係ねぇ。今は、お前の本当の想いを聞きてぇんだ。｣
その後、吉良さんは私の頭を撫で続け、私の返事を急かすことなく、待っていてくれる。
そういった彼の大人な対応に、私は静かに涙を零す。
それでも私は、少し涙声になりながらも喉から絞り出すようにして彼とゆっくり、目を合わせた。
｢……吉良さん、本当は…私、吉良さんの事が、好きです。いつからか分からないんですけど…吉良さんといると、ずっと…胸の鼓動が止まらなくて、ドキドキしてしまうんです。｣
そして…今も心臓の音が素早く揺れ動いていて、今にも飛び出してしまいそうになる。
｢でも…本当に、私で良いんですか…？｣
少し不安げに吉良さんに問いかけると、彼は私の腰に手を回し、ギュッと力強く抱きしめられる。
吉良｢…当たり前だろ。俺から告白したんだから、お前じゃなきゃ、こんな事もしねぇよ。…俺も好きだ。A。｣
｢…っ。｣
見上げた先にあった、吉良さんの表情が…言葉を失うくらい、優しく微笑んでいて、普段つり上がっている眉が控えめに下がっていて…うっとりしてしまいそうになるくらい、素敵な笑顔だった。
私は頬を赤らめながら…そっと、彼の腰に手を回し、お互い存在を確かめるかのように…抱き合った。
…暫く抱き合っていると、吉良さんはどこか嬉しそうに口を開いた。
吉良｢…これからも、お前をもっとドキドキさせてやるよ。もう退屈なんてさせないぜ？お前の身も心もとろけるくらい優しく愛してやるよ。A。｣
｢…吉良さん。｣
彼の力強い言葉に、私は嬉しさで大粒の涙が目元に溜まり、頬を伝っていく。
吉良｢今まで辛かったな。男性恐怖症だっていう事を誰にも相談出来なくて、息が詰まりそうなくらい苦しかったよな。一人は寂しい。俺もその気持ち、よく分かるから。でもお前はもう一人じゃねぇ。この俺様に任せろ。｣
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
