癒しましょう_1 ページ2
カチッカチッ。
静かな部屋に秒針の音だけが響く。
榊Aは森鴎外の帰りを待っていた。
執務室で待っていてくれ、と告げられたまま、時刻は夜20時を過ぎている。鴎外の帰りはどれくらい遅いのだろうか。広い部屋に一人でいるのは寂しいものだ、と大きな窓から夜のヨコハマを眺めていた。
ぼんやりと眺めていると、後方からドアの開く音がした。
「おや、待っていてくれたんだね」
落ち着きのある、愛しい男性の声が聞こえた。
「森さん…!」
Aの顔は一段と明るくなった。長く待っていた相手がようやく訪れたというのは、心が弾むものがある。
しかし、明るいAとは対照的に、鴎外には疲れの色が見える。
「なんだか今日は、随分お疲れではありませんか?」
「…そうかもしれないね。でも、Aの顔を見たら癒されてきたよ。」
普段の仕事の様子からは考えられない、鴎外の優しい眼差し。いつもこの視線にやられるのだ、とAの胸は高鳴る。
Aよりも一回り大きな手が、Aの顔に触れた。顔から火がでそうなほど恥ずかしい気持ちと、触れられて嬉しい気持ちがAの中で巡っている。
Aは突然、あることを思い出す。
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あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます;;ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません;私の確認不足でした… あああ本当ですか!嬉しいです……!!これからも精進して参ります! (2019年12月15日 19時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…! (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ゚∀゚):∵グハッ!!かわいい...かわいいぞここの森さん!!!!!好き!!!!!! (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます;;上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです;;こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2019年6月16日 23時