第3話 ページ5
この学校の定員は一学年二百名。
この内百名が、第二科所属の生徒として入学する。
国立魔法大学の付属教育機関である第一高校は、魔法技能師育成の為の国策機関だ。
国から予算が与えられる代わりに、一定の成果が義務付けられている。
この学校のノルマは、魔法科大学、魔法技能専門高等訓練機関に、毎年百名以上の卒業生を供給すること。
残念ながら、魔法教育には事故が付き物だ。
実習で、実験で、魔法の失敗は容易に「チョッとした」では済まされない事故へ直結する。
生徒達はその危険性を知りながらも、
魔法という自らの才能、
自らの可能性に己が未来を賭けて、
魔法師への道を突き進む。
希少な才能を持ち、それが社会に高く評価されるものであるとき、その才能を捨てられる者は少ない。
それが人格的に未成熟な少年少女であれば尚のこと。
「輝かしい未来」以外の将来を思い描くことができなくなる。
それは決して悪いことではないが、その固定化された価値観故に少なくない子ども達が傷を負うのも、また事実だ。
幸いノウハウの蓄積により、死亡事故や身体に障害が残るような事故はほぼ根絶されている。
だが魔法の才能は、心理的要因により、容易にスポイルされてしまう。
事故のショックで魔法を使えなくなった生徒が、毎年少なからず退学していく。
その穴埋め用員が「二科生徒」。
彼等は学校に在籍し、授業に参加し、施設・資料を利用する事を許可されているが、
最も重要な、魔法実技の個別指導を受ける権利がない。
独力で学び、自力で結果を出す。
それができなければ、普通科高校卒業資格しか得られない。
魔法科高校の卒業資格は与えられず、魔法科大学には進学できない。
魔法を教えられる者が圧倒的に不足している現状ては、才能あるものを優先せざるを得ないのだ。
二科生は最初から、教えられないことを前提として入学を許されているのである。
二科生を「ウィード」と呼ぶ事は、建前としては禁じられている。
だがそれは、半ば公然たる蔑称として、二科生自身の中にも定着している。
二科生自身が、自分達をスペア部品でしかないと認識している。
それはこの二人も同じだった。
だから、わざわざ聞こえよがしに思い知らせてくれる必要は無い。そんなことは百も承知て、この学校に入ったのだ。
本当に余計なお世話だ、と思いながら、二人は情報端末に落とした書籍データへ意識を向けた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「最強」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuumin - 面白かったです。 そして、わかりやすく纏められていて読みやすいです。 (2022年8月3日 14時) (レス) @page20 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
★☆少年陰陽師大好き☆★(プロフ) - 初めまして私は★☆少年陰陽師大好き☆★と言います小説の続き早く読みたいですあと、宜しければ、友達申請しても良いですか? (2015年4月29日 15時) (レス) id: a38a6e1073 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 夢主ちゃんの活躍がまだないから、早く見たいです。更新頑張ってください。 (2014年7月3日 17時) (レス) id: 64be7ba306 (このIDを非表示/違反報告)
うたの(●´∀`●)(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2014年4月21日 22時) (レス) id: 5b2986fc65 (このIDを非表示/違反報告)
玖音 - ぎっちりつめて、しかも一つに対して長々と書いてあるので少し読みにくいかと思います。もう少し文の間に余裕を持って書いた方がいいと思います。でも、面白いです^^頑張ってください。 (2014年4月7日 15時) (レス) id: 48834c5afe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なっちん | 作成日時:2013年8月16日 10時