第16話 ページ19
深雪「先生、どうぞ。
お姉様、お兄様もいかがですか」
八雲「おお、深雪くん、ありがとう」
名前「ありがとう、深雪」
達也「……少し、待ってくれ」
汗を垂らしながらもまだまだ余裕に見られる八雲が深雪からタオルとコップを笑顔で受け取り、
汗一つかいていない名前もタオルとコップを受け取る一方、
土の上で大の字になった状態で、荒い息を整えていた達也は、片手を上げて返事をした後、
苦労して地面から上体を引き剥がした。
深雪「お兄様、大丈夫ですか……?」
達也「いや、大丈夫だ。
すまない、スカートに土がついてしまったな」
深雪「このくらい、なんでもありません」
深雪は笑顔でそう応え、
スカートの裾を払う代わりに、内ポケットから縦長の薄型携帯端末をとりだした。
端末の表側ほぼ全面を占めるフォース・フィールド・パネルから、
淀みなく短い番号を入力する。
何処からともなく出現した実体の無い雲が、
深雪のスカートから黒のレギンスに包まれた脚、
ローラーアタッチメントを外したブーツの爪先までまとわりつく。
さらに空中から湧き出したほのかな粒子が、達也の背中から全身を流れ落ちて行く。
薄く微かに輝く霧が晴れた後には、
土埃一つ無い清潔な制服とトレーナーが二人の身体を包んでいた。
名前「相変わらず、手際がいいなぁ…」
深雪「ありがとうございます、お姉様。
お姉様、お兄様、朝ご飯にしませんか?
先生も、よろしければご一緒に」
それが当たり前のことであるかのように、
ごく普通の口調で、バスケットを軽く掲げて見せる深雪。
実際、この程度の魔法は妹にとって「何でもないこと」だと、
名前と達也は良く知っていた。
♢ ♢ ♢
縁側に腰を下ろし、サンドイッチを頬張る名前と達也と八雲。
深雪は一切れ口にしただけで、お茶を差し出したりお皿に取り分けたりと、
甲斐甲斐しく名前と達也の世話を焼いている。
八雲「もう、体術だけなら達也くんにも敵わないかもしれないねぇ……」
八雲がしみじみとした口調で呟いたのは、紛れもない賞賛。
深雪は我がことのように顔を輝かせている。
だが、達也の心には、
その単純な賞賛が素直に響かなかった。
達也「体術で互角なのにあれだけ一方的にボコボコにされるというのも素直に喜べませんが………」
八雲「それは当然というのもだよ、達也くん。
僕は君の師匠で、さっきは僕の得意な土俵で組手をしていたんだから。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「最強」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuumin - 面白かったです。 そして、わかりやすく纏められていて読みやすいです。 (2022年8月3日 14時) (レス) @page20 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
★☆少年陰陽師大好き☆★(プロフ) - 初めまして私は★☆少年陰陽師大好き☆★と言います小説の続き早く読みたいですあと、宜しければ、友達申請しても良いですか? (2015年4月29日 15時) (レス) id: a38a6e1073 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 夢主ちゃんの活躍がまだないから、早く見たいです。更新頑張ってください。 (2014年7月3日 17時) (レス) id: 64be7ba306 (このIDを非表示/違反報告)
うたの(●´∀`●)(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2014年4月21日 22時) (レス) id: 5b2986fc65 (このIDを非表示/違反報告)
玖音 - ぎっちりつめて、しかも一つに対して長々と書いてあるので少し読みにくいかと思います。もう少し文の間に余裕を持って書いた方がいいと思います。でも、面白いです^^頑張ってください。 (2014年4月7日 15時) (レス) id: 48834c5afe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なっちん | 作成日時:2013年8月16日 10時