第14話 ページ17
高校生二日目の目覚めも、いつもと同じだった。
彼女が高校に進学したからって、地球の自転周期が変化するはずもない。
ダイニングに下りると、
既に深雪が朝食の準備を始めていた。
名前「おはよう、深雪。
今朝は一段と早いんだね」
まだ空が白んだだけで、春の陽は顔を覗かせてもいない。
深雪「おはようございます、お姉様…どうぞ」
名前「ありがとう」
差し出されたのはフレッシュジュース。
律儀に礼を述べてから一気に飲み干し、差し出された手にコップを返す。
ー名前の呼吸は、深雪によって完全に掌握されていた。
再び調理台に向かっている妹の背中に、
達也と「行ってくる」と声を掛けようとしたちょうどその時、
深雪が手を止めて身体ごと振り返った。
深雪「お兄様、お姉様、今朝は私もご一緒させていただこうかと思っているのですが…」
名前「それは構わないけど……
制服で行くの?」
自分達の着ているトレーナーと、エプロンの下から現れた制服を見比べながら名前が問う。
深雪「先生にまだ、進学のご報告をしておりませんので……
それにわたしではもう、お二人の鍛錬について行けませんから」
達也「分かった。
別に朝練で深雪が俺達と同じことをする必要はないんだが、そういうことなら師匠も喜ぶだろう」
名前「……喜び過ぎて、たがが外れなきゃいいけどね」
深雪「その時はお兄様、お姉様、
深雪を守ってくださいね」
可愛らしく片目をつぶる妹を前に、名前と達也の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
♢ ♢ ♢
三人の目的地は家から十分程の距離にある(時速約六十キロで走って、だが)小高い丘の上にあった。
そこは、一言で表現するなら「寺」だ。
女性には敷居の高い雰囲気の中に、深雪は躊躇なく入って行く。
その時名前と達也が何をしていたかというと、山門をくぐるなり、手荒い出迎えを受けていた。
出迎え、というのは、要するに稽古のことだが。
??「深雪くん!久しぶりだねぇ」
人垣に埋れてしまった兄と姉を、
本堂の庭先で心配そうに振り返って見ていた深雪に、
死角から唐突に陽気な声が掛けられた。
深雪「先生っ…。気配を消して忍び寄らないでくださいと、何度も申し上げておりますのに…」
??「忍び寄るな、とは、深雪くんも難しい注文を出してくれるんだねぇ。
僕は『忍び』だからね。
忍び寄るのは性みたいなものなんだけど」
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yuumin - 面白かったです。 そして、わかりやすく纏められていて読みやすいです。 (2022年8月3日 14時) (レス) @page20 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
★☆少年陰陽師大好き☆★(プロフ) - 初めまして私は★☆少年陰陽師大好き☆★と言います小説の続き早く読みたいですあと、宜しければ、友達申請しても良いですか? (2015年4月29日 15時) (レス) id: a38a6e1073 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 夢主ちゃんの活躍がまだないから、早く見たいです。更新頑張ってください。 (2014年7月3日 17時) (レス) id: 64be7ba306 (このIDを非表示/違反報告)
うたの(●´∀`●)(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2014年4月21日 22時) (レス) id: 5b2986fc65 (このIDを非表示/違反報告)
玖音 - ぎっちりつめて、しかも一つに対して長々と書いてあるので少し読みにくいかと思います。もう少し文の間に余裕を持って書いた方がいいと思います。でも、面白いです^^頑張ってください。 (2014年4月7日 15時) (レス) id: 48834c5afe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちん | 作成日時:2013年8月16日 10時