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2話 ページ3

淡々と話しながら右足をマッサージする私に驚愕と戸惑いの色を瞳に浮かべて千切くんは私の手をはたいて立ち上がった。

「俺は…他の奴らとは違う。」

「………」

「俺はサッカーを諦めるために青い監獄(ここ)に来た。余計な詮索はするな。」

「…………、そう…分かった。」

私がスッと目を伏せると千切くんはメンテナンスルームから颯爽と出て行ってしまった。

余計なお世話…だったよねぇ。

「はぁ…念の為にマッサージしてケアしておこうと思っただけなのになんであんな事言っちゃったかなぁ…。」

ため息をつきながら立ち上がりどうせカップ麺ばかり食べているであろう甚八に渡すサプリメントを取ろうと薬品棚に近づくと不意に横のカーテンの隙間から伸びてきた手に手首を掴まれて引っ張られた。

「ひぁっ、、!!!」

バランスを崩した私は引っ張られた方へぐらりとよろけてぽすんっとカーテンの中のベッドに倒れ込んだ。

「ちょっと…誰……?!」

「ん…この匂い……A?」

「もう…凪、またここでサボってたの?」

「うん…だって練習とかめんどくさいし。ここで待ってればいつかA来るかなって…。」

寝ぼけ眼で私を未だ抱きしめたまま話すこの大男はチームVの凪誠志郎。

何故か私に懐いてくれているのはいいけど何かと理由をつけてはメンテナンスルームのベッドを勝手に使って眠り呆けて挙句にはよく抱き枕と言ってこの様に抱きついてくる問題児だ。

「ほら、練習戻って。御影くんのとこまで一緒に付いてってあげるから!」

「えぇー……でも…Aが俺をおんぶするのは無理があると思う。」

「誰がおんぶするなんて言った?!自分で歩けるでしょ!ほら、分かったらこの腕ほどいて。」

「……やだ。」

「子供じゃないんだから我儘言わないの!」

「ん…じゃあ今日夜ご飯一緒に食べる?」

「はぁ…分かったから早く放して。」

「ん。」

凪はサッカーに関しては本当に天才的で圧倒されるけど基本的に極度の面倒くさがりだ。そのうえマイペースだからいつも話しているうちに凪のペースについ乗せられてしまう。

「ねぇA、ひとつお願いしてもいい?」

「何?あ、おんぶは無理だからね!」

「ううん、違くて…おんぶは無理だろうけど、手は繋いでいい?」

「手…?いいけど…、」

言うなり凪は私の左手を握って嬉しそうに頬を緩めた。

なんか…ちょっとかわいいかも。

「A、夜ご飯の約束忘れないでね。」

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めめ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています!誰が喋っているのか吹き出し前に付けていただけるとよりわかりやすくて読みやすいなと感じました。更新楽しみにしています(^^) (2022年11月24日 0時) (レス) @page16 id: 046701b798 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - ころりんさん» 夢主ちゃんは凪の事は苗字呼びだから名前呼びしてないです。だから凪は誠志郎って呼んでほしいっていう意味で言っています (2022年11月21日 0時) (レス) id: d41fc0cc07 (このIDを非表示/違反報告)
ころりん - 4話の名前について話してるくだり、もう名前で呼んでるのに名前で呼んで欲しいってどういうことですか? (2022年11月18日 21時) (レス) @page5 id: d13e34f292 (このIDを非表示/違反報告)
機関車トーリマス - 面白いです!最高です!続き待ってます! (2022年11月8日 5時) (レス) @page14 id: b3f1cd4664 (このIDを非表示/違反報告)
オタなーん - 面白いです! (2022年10月26日 15時) (レス) @page7 id: e0d32b81e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翠恋 | 作成日時:2022年10月2日 23時

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