亡命客28 ページ31
*
あの後、警備や入国審査を厳しくした結果、マクライアンさんの元を訪れる観光客は格段に減ることとなった。………………それでも月に二回ほどやってくるが。
あと、毎度のように彼女が何かしら眠気覚ましにぴったりの食べ物や飲み物をくれた。多分、寝不足で俺が相当ひどい顔しとるからやろな………………。
彼女からもらうものは、何でも美味いし、ほんまに目が冴えるもんだから、とても助かっている。お礼をしたいが、どうやら、彼女からしたら観光客の回収のお礼がそれらしい。お礼にお礼を返すのもなぁ、なんて思ってしまい、なにもしないままでいる。
仕事がたてこんでてお礼選べないのも理由の一つだ。
………………あいつらが仕事すれば時間取れるんやけどな！
「トントン、トントーン！」
書類を整理しながら、マクライアンさんから貰ったレモネードを飲んでいたある日のこと、騒がしい高めの声が部屋にキンキンと響いた。その特徴のある声が誰なのかは、すぐにわかった。
「なんやコネシマ、どないしたん？」
「大先生おらんねんけど、どこいったか知らん？俺の書類、あいつにも書いてもらわなあかんねん。」
「あんにゃろ、また女あさりに行ったな………………。」
コネシマが持っている書類は、今日が提出期限。こちらからしても困るような重要なものだ。
とりあえず、インカムで連絡をとろうとするが、あのバカからの応答が一切ない。
これは流石に探しに行かな。
「コネシマ、書類全部終わっとる？」
「終わっとるで！」
「大先生探すの手伝ってや。あの馬鹿に書かせなならんもんが山ほどあるんや。」
「おっ、暇やしええぞ！」
「俺は北の方見に行くから、お前は南な。」
他の何人かに声をかけ、鬱捜索を開始。定期的に大先生のインカムに連絡を入れるのも忘れない。………………が、ここまで出ないとなると、持って行ってへんな、あいつ。
これは時間かかるやろなぁ、とため息をつき、俺は人混みを走った。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1056人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもんあめ(プロフ) - 果奈さん» え...。語彙力めちゃめちゃあるじゃないですか!! (2019年4月14日 17時) (
レス) id: 2dbd7ef2a2 (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - 果奈さん» はい！完成したら、お知らせします！ (2019年4月14日 11時) (レス) id: 22a10a6505 (このIDを非表示/違反報告)
果奈(プロフ) - れもんあめさん» 語彙力が無いので、そう言っていただけて有難いです。これからもよろしくお願いします！ (2019年4月13日 21時) (レス) id: a4d3edf1aa (このIDを非表示/違反報告)
果奈(プロフ) - るーかさん» 是非ともお願いしたいです！！！楽しみにしてますね！ (2019年4月13日 21時) (レス) id: a4d3edf1aa (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - あの、夢主ちゃんの絵を描いてもよろしいでしょうか？いきなりですみません (2019年4月11日 1時) (レス) id: 22a10a6505 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：果奈 | 作成日時：2018年1月22日 13時
