亡命客15 ページ17
*
それから話したのは、小説の内容のこと、私の祖国のこと、この国のこと、私や皆さんの生活のことと、様々だ。
私は特に、彼らの普段の様子を聞くのが楽しくてたまらなかった。女好きの鬱さんが、彼女(2〜3人いる中の１人)に殺されかけたとか、チワワのコネシマさんとポメラニアンのシャオロンさんが些細な事で喧嘩し、畑を荒らしたせいで、普段は温厚な復讐鬼のひとらんらんさんが暴れだしたとか、味方最大の脅威ゾムさんがロボロさんとエーミールさんの邪魔をしてぺ神さんに色々されそうになったとか………………。こんなに毎日が楽しそうなお偉いさんを見るのは初めてだ。
｢ふふ、私の国は馬鹿真面目というのが合う国なので、色々聞けて嬉しいです。初めからこんな国に生まれたかった。｣
笑って返せば、オスマンさんとトントンさんも、にこやかな顔をこちらに向けてくれた。
｢そうだな、後は、他にも色々と聞きたいことがあってだな。いいか？｣
｢もちろん。私に答えられるものなら、いくらでも。｣
｢うむ、では、この国をよりよく発展させるためにも、不便なことはないだろうか？他国から来たのだから、不満があればぜひ出してはくれないか。｣
………………正直、少し驚いた。国を発展させるためにも、なんでも取り入れようとする目の前の総統を。しかも、それを聞いたトントンさんは、どこからかメモ帳まで取り出していた。できる人達だ。なんでうちの上司、馬鹿ばっかりなんだろ、なんて今からでもため息が出そうになる。もうあの国に戻るはずないのにね。
｢いや、ぶっちゃけますとね、私がいた国よりはるかに上回っていると思います。なので、むしろありがたい程です。｣
最大の感謝をつたえ、彼らへお辞儀をする。すると、今度は彼らは慌てだした。
｢そんな！頭下げんでください！｣
｢生活出来てるなら、よかっためうー！でも、そんなかしこまらんでええんよ？｣
｢私にとっては、この国に命を救っていただいたようなものですし、本当はこれじゃ足りないくらいです。それに、今不満があるのは祖国の方です。｣
それを聞き、三人は首を傾げる。なぜ今になって、祖国に不満が募っているのか、と言いたげだ。
｢実はですね、最近よく家にお客様がいらっしゃるんですよ。｣
私がため息混じりに呟いた言葉に、彼らはお茶を吹き出しそうになっていた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1056人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもんあめ(プロフ) - 果奈さん» え...。語彙力めちゃめちゃあるじゃないですか!! (2019年4月14日 17時) (
レス) id: 2dbd7ef2a2 (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - 果奈さん» はい！完成したら、お知らせします！ (2019年4月14日 11時) (レス) id: 22a10a6505 (このIDを非表示/違反報告)
果奈(プロフ) - れもんあめさん» 語彙力が無いので、そう言っていただけて有難いです。これからもよろしくお願いします！ (2019年4月13日 21時) (レス) id: a4d3edf1aa (このIDを非表示/違反報告)
果奈(プロフ) - るーかさん» 是非ともお願いしたいです！！！楽しみにしてますね！ (2019年4月13日 21時) (レス) id: a4d3edf1aa (このIDを非表示/違反報告)
るーか(プロフ) - あの、夢主ちゃんの絵を描いてもよろしいでしょうか？いきなりですみません (2019年4月11日 1時) (レス) id: 22a10a6505 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：果奈 | 作成日時：2018年1月22日 13時
