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「はーい、じゃあかもっちゃんはレシーブ入ってねー。」
及川の完璧なトスでスパイクを打ったあと、サーブレシーブをしろというめちゃくちゃな要求を出してきた。
「待って!!
及川のサーブ腕アザだらけになるから嫌なんだけど!!」
「だぁいじょうぶ!
岩ちゃんのサーブもあるから。」
「それなんにも大丈夫じゃないよね!!
及川と岩泉のサーブなんて焼き栗でおしり火傷した上に石臼が落ちてくるようなもんだよ!?」
「(なんでさるかに合戦?)」
それでもトスを上げてもらった恩には勝てず、
結局反対側のコートに立った。
ズドンッ!!
やばいよね?
サーブとは思えない音したよね?
「アウト!!」
「あぁー!!!」
入らなくて良かった、と心の底から思う。
これレシーブしたら絶対腕折れるよ。
「嘉元ー、避けんなよー。」
「(アタシには聞こえないアタシには聞こえないアタシには聞こえないアタシには)
狙わないでよ!!!!」
真正面に飛んできたサーブに手が咄嗟に前に出る。
バチン!という激しめな音に顔が歪んだ。
「ちっ。」
「おー、きれー。」
「ナイスレシーブです!」
綺麗にネット際に上がったボールの下にいつの間にか及川が潜り込んでいる。
「かもっちゃん、入っておいで。」
「イエッサー!!」
勢いで大勢を立て直して助走する。
飛んだ先にはドンピシャなトスが。
あぁ、くそ!
上手いなぁ!!
「このやろぉおおおお!!!」
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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月18日 21時